1991 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀〜20世紀前半期における物理学の実験機器・装置の発展過程の総合的分析
Project/Area Number |
02402056
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
井原 聰 茨城大学, 教養部, 教授 (70106730)
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Keywords | 科学史 / 物理学史 / 実験学史 / 実験 / 実験装置 / 実験論 / 19世紀 / 20世紀前半 |
Research Abstract |
1.収集資料について.19世紀から20世紀前半期の物理学諸分野の実験報告に関する文献資料の収集・整理を行った.(取り上げた主要な雑誌はPhil.Trans.,Phil.Mag.,Proc.Roy.Inst.,Pros.Roy.Soc.,Rev.Sci.Instr.,Ann.d.Phys.,Comp.Ren.,J.Phys.,Amer.J.Sci.,Sci.Amer.などである.) 2.デ-タベ-スの構築について.実験報告の概要をはじめ,実験機器・装置の図版,過去に現地取材で撮影した実物の実験機器類の写真等を画像処理して,コンピュ-タに入力し,随時検索可能なシステムを試作した. 3.特に19世紀物理学の諸課題と実験,実験装置・機器.これまであまり取り上げられてこなかった問題や著名ではあっても事実認識のあいまいな実験について詳細に検討を加えた. 【ケ-ススタディI】(1)T.Youngの光学実験研究の意義.(2)H.Davyの電気化学実験について.(3)19世紀前半期における電池の発達について.(4)19世紀前半期の微量定量分析について.(5)19世紀前半期における生物学実験研究と光学.(6)19世紀後半期における分光分析の確立と天文学〜W.HugginsとJ.N.Lockyerを中心に〜(7)初期半導体現象の研究について〜K.F.Braunを中心に〜(8)「光電効果」とHertzの役割について.(9)H.A.Rowlandの帯電円板の磁気効果について.(10)A.A.Michelsonの光速度測定技術について.(11)M.Curieの電気補償法実験について. 4.実験,実験装置・機器と社会的基盤について.下記のような検討を行った. 【ケ-ススタディII】(1)電磁石と通信機〜J.Henryの電磁石〜(2)Wheatstoneと電磁気学.(3)Kelvinと電気通信.(3)電気標準問題.(4)Onnesと極低温実験.(5)19世紀の計算機械について.
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