1991 Fiscal Year Annual Research Report
分子および分子錯体の振動高励起状態における量子カオス準位構造の統計分光学
Project/Area Number |
02403006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 莊次 東京大学, 教養学部, 教授 (40012322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 薫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40182597)
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Keywords | 振動高励起分子 / 基準振動 / 局在振動 / カオス / 単分子反応 / 光解離反応 |
Research Abstract |
本研究では、レ-ザ-分光の新しい方法を開拓するとともに、從来の方法を併用して、多原子分子の高分解能また広えネルギ-範囲の振動スペクトルの測定を行い、振動高励起分子の振動ダイナミックスが準周期的なものからカオス的状況へどのようなメカニズムで変化するのかを究明する。 1.もっとも簡単な多原子分子としてSO_2を選び、昨年度に継続してその振動ダイナミックスの理論的研究を行った。SO_2の振動準位エネルギ-は、19個の係数を持つ非調和展開式で表現できる。この結果より、SO_2は20000cm^<-1>のエネルギ-領域でもその振動ダイナミックスが準周期的であると結論した。しかし、非調和展開係数を見ると、υ_1とυ_3は相互に結合する。振動カオスは、すべてのモ-ドについて起こるのでなく、階層的に実現される。 2.以上の振動カオスについての考え方は、アセチレンの高振動励起状態についても確認された。15000cm^<ー1>のエネルギ-では、トランスCH変角振動とシスのそれとは強く結合し、共鳴構造を示す。この共鳴現象は、アセチレンのビニリデンへの異性化と深い関係が予想され、次年度以降の研究課題と考えている。 3.NO_2の光解離反応速度をNO_2の振電準位毎に求め、それが生成分子の状態数に比例していることを見いだした。解離は、NOとOのゆるい錯合体を経て起こると結論した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.Miyawaki et al.: "Photofragment Excitation Spectrum of NO_2 Observed Through O( ^3P) Detection" Chem. Phys. Lett.180. 287-292 (1991)
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[Publications] K.Yamanouchi et al.: "Vibrationally highly excited acetylene as studied by dispersed fluorescence and stimulated emission pumping spectroscopy: Vibrational assignment of the feature states" J. Chem. Phys.95. 6330-6342 (1991)
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[Publications] M.Okumishi et al.: "Structure and predissociation dynamics of electronically excited HgAr_2 triatomic cluster" J. Chem. Phys.
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[Publications] 土屋 莊次: "励起分子の量子ビ-ト分光" 分光研究. 41. 3-20 (1992)