1992 Fiscal Year Annual Research Report
分子および分子錯体の振動高励起状態における量子カオス準位構造の統計分光学
| Project/Area Number |
02403006
|
|---|
| Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
|---|
Principal Investigator |
土屋 荘次 東京大学, 教養学部, 教授 (40012322)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 薫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40182597)
|
|---|
| Keywords | 振動高励起分子 / 基準振動 / 局在振動 / カオス / 単分子反応 / 光解離反応 |
|---|
| Research Abstract |
本研究では、振動高励起分子の振動ダイナミックスと単分反応との関連を究明した。
1.NO_2の光解離が、単分子反応の統計理論で説明できるかどうかを検討した。光解離で生成するO原子とNO分子の特定の状態分布をレーザー誘起蛍光によって検出しながら光解離励起レーザーの波長を走査した。その結果得られるスペクトルは、光解離生成励起(PHOFEX)スペクトルと呼ばれる。解離限界以上でPHOFEXスペクトルは準位構造を示し、その線の広がりは解離速度を意味する。光励起エネルギーを大きくすると、解離速度は生成物NOの新しい回転状態が可能となる毎に段階的に大きくなり、解離がNO・Oのゆるい錯合体を経る位相空間理論で説明できる。なお、速度定数は、いろいろな励起準位を平均すると統計理論に一致するが、準位毎のそれは平均値のまわりで「量子的な揺らぎ」を示すことも確認された。
2.NO_2の解離限界以下の励起準位構造を広エネルギー範囲で詳細に検討し、上記の「量子的揺らぎ」の根源を追究した。準位構造に階層性を見出し、NO_2の量子状態の結合様式を解明した。また、解離限界に近いエネルギー領域で、各準位の相関を統計解析で見いだし、「揺らぎ」の本性が統計的なものであることを示した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] M.Okunishi et al.: "Vibrational spectroscopy and photodissociation dynamics of electronically excited HgAr_2 cluster" J.Chem.Phys.97. 2305-2317 (1992)
-
[Publications] D.M.Jonas et al.: "Intramolecular vibrational relaxation and forbidden transitions in the SEP spectrum of acetylene" J.Chem.Phys.97. 2813-2816 (1992)
-
[Publications] M.Okunishi et al.: "Interatomec potential of HgNe van der Waals complex in the E(^<3+> Rydberg state as studied by opti" J.Chem.Phys.98. (1993)
-
[Publications] J.Miyawaki et al.: "State-specific unimolecular reaction of NO_2 just above the dissociation threshold" J.Chem.Phys.99. (1993)
