1993 Fiscal Year Annual Research Report
金属表面特性のインピーダンス測定法による解析とその方法
Project/Area Number |
02403014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沖 猛雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市野 良一 名古屋大学, 工学部, 助手 (70223104)
興戸 正純 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50126843)
山内 睦文 名古屋大学, 工学部, 教授 (40115647)
長 隆郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023114)
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Keywords | インピーダンス / 表面反応性 / 表面均一性 / 周波数応答 / はしご回路 / 電気化学インピーダンス |
Research Abstract |
表面機能性を付与された金属表面の界面インピーダンス測定を行い,表面反応性,表面時定数分布等を測定した。これにより,表面の持つ機能性評価が可能となり,薄膜プロセスコントロールに応用できる知見が得られた。またこの界面インピーダンス測定法の適応性についての新しい知見も得られた。結果は以下のようにまとめられる。 1.界面インピーダンス法の新しい解析法として,表面が不均一であり反応性が場所により分布するモデルで説明した。 2.反応活性度分布に及ぼす添加剤効果あるいは電解脱脂のモニタリングを行い,ゼラチン等の添加の表面活性度分布への効果を示した。化学的な表面均一性がインピーダンスから求められた。 3.塗装鋼板下の腐食を測定し下地金属の腐食反応がふくれ生成の主因であることを示した。 4.銅,ニッケルの電析時のインピーダンス解析より,銅電析の塩化物イオン等の表面活性度とのその分布への効果とニッケル電析時のクマリン添加の効果,撹拌の効果をインピーダンス解析と結び付けて明らかにした。 5.電解コンデンサー用アルミニウム箔の電解エッチングについて検討した。塩化物イオンにより表面活性度が増し,表面均一性が低下した。反応の時定数は溶解の起こり易さと,分布密度はピットの発生・成長性と対応づけられた。これらの値を制御することで最適な電解液側因子と材料表面特性との組み合わせ条件の選定が可能になると考えられた。このように,平均の反応時定数はエッチング時のピット形態の変化を最もよく反映したパラメーターであり経時変化を測定することでエッチングにより形成されるトンネル状ピットの形態の制御が可能であった。
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[Publications] 沖猛雄: "銅電析の析出形態、配向性とインピーダンス特性に及ぼす塩化物イオンの影響" 資源・素材学会誌. 106. 539-543 (1990)
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[Publications] 市野良一: "電極表面の反応サイトの均一性に及ぼす添加剤の効果" 日本金属学会誌. 54. 1072-1077 (1990)
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[Publications] 市野良一: "電気化学的手法による電解脱脂中の表面変化測定" 表面技術. 41. 761-765 (1990)
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[Publications] Y.I.Zhou: "An Explanation for Depressed Semi-Circular Arcs in Interfacial Impedance Plots of the Materials Interface between Metal and Electrolyte" Transactions,JIM. 32. 1159-1163 (1991)
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[Publications] 興戸正純: "界面インピーダンス法の基礎と金属材料への応用" 日本金属学会会誌. 32. 199-207 (1993)
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[Publications] 日比野淳: "定電位法による電解コンデンサー用アルミニウム箔のエッチング特性" 表面技術. 45. 207-212 (1994)