酸化物を基礎とする新しい機能性非シリケ-トガラスの合成、構造、物性に関する研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02403016
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 作花 濟夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (10027021)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 宮路 史明 京都大学化学研究所, 助手 (80219782) ; 横尾 俊信 京都大学化学研究所, 助教授 (90158353)
• Keywords: 非シリケ-ト酸化物ガラス / X線動径分布解析 / 固体高分解能NMR / ラマンスペクトル

Research Abstract

本年度は、かねての研究計画どおりかなりの実績を上げることができた。以下、順を追って述べる。(1)純TeO_2を含めLi_2OーLiClーTeO_2系ガラスの構造をラマンスペクトルおよび ^<125>TeMASーNMRにより調べた。その結果、TeO_2ガラス中の構造単位であるTeO_43方両錐は非常に歪んだ状態にあり、またTeO_43方両錐はLi_2O、LiClいずれの添加によってもTeO_33方錐へ変化することが明らかとなった。(2)Bi_2O_3ーCaO(SrO)ーCuO3成分系のガラス化範囲を決定した。赤外線スペクトルの測定結果に基づいてガラス構造を推測した。(3)Na_2O・2TiO_2ガラスの構造をX線動径分布解析により調べた。その結果、K_2O・2TiO_2,Cs_2O・2TiO_2ガラスと異なりこのガラス中にはTiO_44面体の他にTiO_68面体がかなり含まれていることが明らかとなった。(4)PbOーBi_2O_3ーGa_2O_3系ガラスの構造を赤外吸収スペクトル及びラマンスペクトルの測定により調べた。Ga^<3+>イオンは4配位で存在し、その非架橋酸素はPbO、Bi_2O_3含有量の増加とともに減少することが確かめられた。(5)TeO_2にTiO_2、PbO、Nb_2O_5、Ta_2O_5、Ga_2O_3、WO_3などを加えた3成分または4成分ガラスを作製し、それらのガラスの3次の非線形光学感受率X^<(3)>の測定を行なった。現在までのところ、酸化物ガラスとしては最高の10^<ー12>esu以上の高い値を示すガラスが得られている。(6)BaOーY_2O_3ーSiO_2系ガラスに窒素を導入したオキシナイトライドガラスを調製した。窒素を約2wet%まで導入することができた。その結果、ビッカ-ヌ硬度は約1.6倍増加した。現在、CaOーAl_2O_3系に窒素を導入することを試みている。

Research Products

• [Publications] T.Yoko,M.Fujita,F.Miyaji,S.Sakka: " ^<125>Te MAS NMR Study of Tellurite Crystals and Glasses" Chemistry Express. 5. 549-552 (1990)
• [Publications] F.Miyaji,T.Yoko,S.Sakka: "Glass Formation in Bi_2O_3ーCaOーCuO and Bi_2O_3ーSrOーCuO" J.NonーCrystalline Solids. 126. 170-172 (1990)
• [Publications] F.Miyaji,T.Yoko,H.Kozuka,S.Sakka: "Structure of Na_2O・2TiO_2 Glasses" J.Materials Science. 26. 248-252 (1991)
• [Publications] F.Miyaji,S.Sakka: "Structure of PbOーBi_2O_3ーGa_2O_3 Glasses" J.NonーCrystalline Solids. (1991)
• [Publications] T.Yoko,M.Fujita,H.Kozuka,S.Sakka: "Structure and Elastic Properties of Glasses in the ternary Li_2OーLiceーTeO_2 System" J.NonーCrystalline Solids.
• [Publications] SーH.Kim,T.Yoko,F.Miyaji,S.Sakka: "THG Nonーlinear Optical Properties of TeO_2ーBased Glasses" J.Am.Ceram.Soc.