1991 Fiscal Year Annual Research Report
低原子価ルテニウム錯体を用いる触媒反応の設計と開発
Project/Area Number |
02403019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村橋 俊一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 泰嗣 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60183191)
直田 健 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20164113)
細川 隆弘 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90029520)
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Keywords | 低原子価ルテニウム錯体 / 触媒的酸化反応 / オスミウム錯体 / 第3アミン / βーラクタム / イミニウムイオン中間体 |
Research Abstract |
申請者らは0価あるいは2価の低原子価ルテニウム錯体に特異な触媒反応の開発を目的として検討を重ねた.その中でも特に,低原子価ルテニウム錯体から生成すると考えられるオキソルテニウム錯体を反応活性種とする新しい触媒的酸化反応の開発について重点的に検討した. 1.ルテニウム錯体を触媒とする,過酢酸による酸化反応により,βーラクタム等のアミド化合物のα位に選択的にアセチル基等の置換基を導入する新しい触媒反応を開発した.また同様の触媒的酸化反応が,ルテニウムと同族の遷移金属であるオスミウムを触媒として用いた場合も,効率よく進行することを明らかにした.これらの反応の活性種はいずれも金属オキソ錯体であると考えられる. 2.上記1のルテニウム錯体を用いる酸化的触媒反応において,過酢酸等の過酸化物を用いることなく,反応活性種であるルテニウムオキソ中間体を生成する方法について検討し,ルテニウムを触媒とする,分子状酸素およびアルデヒドによるアミド化合物のα位の選択的酸化反応を開発した. 3.ルテニウム錯体を触媒とする,第3ブチルヒドロペルオキシドによる酸化反応では,α位に第3ブチルジオキシ基の導入されたアミン,イミドあるいはアミドを合成できる.これらのα置換含窒素化合物をルイス酸で処理すると,第3ブチルジオキシ基が脱離してイミニウムイオン中間体を生成し,炭素求核剤を窒素のα位に導入できることを見いだした.この反応によりアミンあるいはアミドのα位への選択的な炭素ー炭素結合生成が可能となる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeshi Naota: "Novel Method for αーSubstitution of Amines via NーMethoxy carbonylーαーtーbutyldioxyamines" Tetrahedron Letters. 31. 7475-7478 (1990)
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[Publications] ShunーIchi Murahashi: "OsmiumーCatalyzed Oxidation of βーLactams with Peroxides" Tetrahedron Letters. 32. 2145-2148 (1991)
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[Publications] Takeshi Naota: "Ruthenium Catalyzed Transformation of Amino Alcohols to Lactams" Synlett. 693-694 (1991)
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[Publications] ShunーIchi Murahashi: "Ruthenium Catalyzed oxidation of βーLactams with Molecular Oxygen and Aldehydes" Tetrahedron Letters. 32. 5991-5994 (1991)
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[Publications] ShunーIchi Murahashi: "Oxidation of Secondary Amines to Nitrones.6ーMethyl 2,3,4,5ーtetrahydropyridine Nーoxide" Organic Syntheses. 70. 265-271 (1991)
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[Publications] Takahiro Hosokawa: "Palladium(II)ーcatalyzed Oxidation of Carbonーcarbon Double Bonds of Allylic Compounds with Molecular Oxygen Regioselective Formation of Aldehydes" Journal of Chemical Society,Chemical Communications. 1559-1560 (1991)