1992 Fiscal Year Annual Research Report
菌類細胞における特異タンパクの形成と局在化機構の細胞生物学的解析
Project/Area Number |
02404005
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Research Institution | Nagoya University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 健治 名古屋大学, 医学部, 教授 (70013315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紅 朋浩 名古屋大学, 医学部, 助手 (00222513)
神戸 俊夫 名古屋大学, 医学部, 講師 (50093018)
本間 道夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50209342)
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Keywords | Yest / Candia albicans / Schizosaccharomyces pombe / プロテアーゼ / 分泌 / アクチン / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
1。アルカリ-ビスマス染色と免疫電顕によるプロテアーゼ分泌細胞の微細構造的研究 酵母の出芽先端部位や隔壁形成部位にみられる小胞やゴルジ構造など分泌に関与する構造はアルカリビスマス染色で容易に検出できることを確立した。プロテアーゼ分泌誘導にともなって、細胞質膜内側に不定形の顆粒が出現したが、これが分泌に関与する可能性は否定された。(1)非誘導条件下でもこの顆粒はみられる。(2)小胞やゴルジ構造は分泌の如何に関わらず大きな変化が認められない。(3)分泌阻害剤Brefeldin A処理によっても、変化なし。(4)抗プロテアーゼ抗体を用いた免疫電顕法では、この顆粒を認識するが、同時にグリコーゲンと交差反応を示した。以上、プロテアーゼの細胞内局在は同定できなかったが、通常の分泌経路を通るものと推定された。 2。細胞外分泌性プロテアーゼの誘導条件について C.albicansの分泌性プロテアーゼの細胞外分泌は通常、牛血清アルブミンとグルコースを含む培地で誘導されるが、炭素源としてのグルコースが必須であること、pHが6、0以上では、窒素源の有無に関わらず誘導されない。この酵母の菌糸形への変換条件では、プロテアーゼは分泌されない。したがって、この酵母が病原性を発揮するのに、プロテアーゼ産生と菌糸形転換とは別々の役割を果たしていることが示唆された。 3。分裂酵母Schizosacharomyces pombeにおけるアクチンの動態-蛍光顕と電顕観察 (1)分裂酵母S.pombe細胞を蒸留水中に懸濁すると、アクチン顆粒は細胞全体に分散するとともに、太い繊維として長軸に沿って現われる。電顕観察によると、前者は、電子密度の低い微細繊維の集合であり、後者は、微細繊維の束として観察できた。 (2)隔壁形成に異常を示す温度感受性変異株cdc11株を用い、隔壁形成に先だって観察されるアクチンリングが、CA存在下で出現が阻害され、ほとんどのアクチンは細胞の両成長端に局在集積されることを見た。電顕観察では、小胞が分散、しかも電子密度の高い大きめの顆粒として、あるいは膨潤したゴルジ嚢胞として観察された。これらの事実は、CAがゴルジ相当構造や小胞の移動を含む分泌過程全体を統御するに与るアクチンの構造が乱された結果と理解された。
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[Publications] M.Homma,T.Kanbe,H.Chibana,K.Tanaka: "Detection of intracellular from of secreted aspartic proteinase in Candida albicans." Journal of General Microbiology. 138. 627-663 (1992)
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[Publications] T.Akashi,M.Homma,T.Kanbe,K.Tanaka: "Ultrastructure of proteinase-secreting cells of Candida albicans studied by alkaline bismuth staining & immunocytochemestry" Journal of General Microbiology. (1993)
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[Publications] M.Homma,H.Chibana,K.Tanaka: "Induction of extracellrlar proteinase(EPR)in the dimorphec year Candia albicans" Jounal of General Microbiology. (1993)