1990 Fiscal Year Annual Research Report
生殖機能系細胞の培養法の確立とシステム化利用に関する基礎研究
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02404018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 七郎 東北大学, 農学部, 助教授 (80005602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々田 比呂志 東北大学, 農学部, 助手 (90158931)
梅津 元昭 東北大学, 農学部, 助手 (30005649)
太田 実 東北大学附属農場, 助教授 (00005670)
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Keywords | 卵胞、卵管上皮細胞 / 無血清培養 / 初期胚 / 胚との共培養 / 酵素活性 / feeder layer / IVF |
Research Abstract |
本年度の研究計画に従って下記項目に関し研究して以下の成績を得た。 1)卵胞細胞、卵管、子宮上皮細胞の体外培養法の検討:a.牛卵胞細胞の無血清培地での培養法を可能にした。すなわち、従来のMEMやTCMー199にインシュリン、トランスフェリン、セレニュ-ム、EGFなどの成長因子の添加培地で従来の牛胎児血清(FCS)添加培地と同じ効率の培養系が出来た。b.卵管上皮細胞の無血清培地による培養系について、MEMに前期成長因子を添加したもので従来の培養と同様に増殖することを確認したが、今後は卵胞細胞の培養と全く条件でも培養できる系を探索する。 2)配偶子、初期胚の栄養要求の検討:分割期の必要エネルギ-物質やそれらの前駆体を解析するために顕微分光測定器を利用して、新鮮胚一コ当たりの酵素活性測定とその後の発生させる条件を考案した。まず、酵素活性測定後の胚発生を継続させる測定条件をラット卵子を用いて検討し、反応液の緩衝液をトリス塩酸からPBSへ代替での測定条件を確立した。この方法を顕微分光器に適用できることを牛IVF胚を用いて確認した。現在6燐酸グルコネ-ト脱水素酵素(6PGD)活性と発生能の関係を1細胞期から胚盤胞期までの牛IVF胚をで検討しており、次いで、他の酵素の活性と発生能および要求エネルギ-との関係を解析する。 3)受精卵子のfeeder layerの検討:15日齢のマウス胎子線維芽細胞の培養液を牛IVF条件と同じ条件で培養することを検討し、検定FCSを添加することによって牛IVFと全く同じ条件での培養法を確認した。この系における牛IVF胚との共培養による胚のoutgrowthとの関係を検討する。 4)卵胞液組成の解析:豚卵胞液の無期成分濃度を基礎に作製した無血清培地(MII)を用い、屠場豚卵胞内卵子の成熟との関係を調べ、インスリン添加MEで48時間成熟培養することにより、約80%の成熟率が得られた。今後、この系での体外受精、発生能を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小池 学、菅原 七郎、正木 淳二: "ラット新鮮卵子の6phosphogluconatedehydrogenase活性測定法に関する研究" 家畜繁殖学雑誌. 36. 171-175 (1990)
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[Publications] 山内 伸彦、平田 昌弘、菅原 七郎、正木 淳二: "豚屠場卵巣卵胞内卵子の無血清培地における成熟についてー2 インスリン添加の影響" 哺乳動物卵子学会. 8. (1991)
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[Publications] 正木 全、柳 在雄、菅原 七郎、正木 淳二: "牛体外受精卵子の幹細胞化に関する研究" 哺乳動物卵子学会. 8. (1991)