1990 Fiscal Year Annual Research Report
フラクチャ-フリップ法とフラクチャ-フリップ細胞化学による細胞膜巨分子構築の解析
Project/Area Number |
02404020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 和 京都大学, 医学部, 講師 (50159125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 眞弘 京都大学, 医学部, 助手 (40183363)
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Keywords | フラクチャ-フリップ / フラクチャ-フリップ細胞化学 / 細胞膜 / マクロファ-ジ / 細胞接着 / フィブロネクチン |
Research Abstract |
細胞膜の巨分子構築ならびにそれらの動態の解明は、細胞生物学の中心課題の一つである。近年、フラクチャ-フリップ法と呼ばれる凍結割断技術が考案され、nmオ-ダ-での細胞膜表面巨分子構築の電子顕微鏡(以下電顕)解析が可能になった。本年度は、人工基質に接着ならびに伸展しているマクロファ-ジ(M_φ)を試料として用い、形質膜表面の受容体の同定ならびにその動態をフラクチャ-フリップ細胞化学法によって検討した。M_φは人工基質への接着ならびに伸展時に、その接着部形質膜に多数の被覆陥凹を形成することが知られており、すでに、我々は接着表面をフラクチャ-フリップ法で観察し、15ー25nm径の膜表面粒子が凝集し、細胞内へ取り込まれることを明らかにしている。 [材料と方法]双面凍結割断用試料台に接着、伸展させたラット肺胞M_φの新鮮試料を急速凍結、凍結割断、炭素蒸着した。生理的食塩水で炭素蒸着膜を試料台から剥離、洗浄後、細胞化学標識(金コロイド標識ConA,WGA,免疫複合体)或はフィブロネクチン結合部位の免疫細胞化学的検出を行った。反応後、洗浄、フラクチャ-フリップ法に従い細胞膜表面を白金蒸着し、電顕観察を行った。[結果と考察]ConAならびにフィブロネクチン結合部位は膜表面粒子の凝集領域に一致して観察された。金コロイド標識WGAあるいは免疫複合体は細胞膜表面に一様に分散して結合した。以上の所見は、基質への接着ならびに伸展に細胞膜表面のマンノ-ス糖鎖、フィブロネクチン受容体が関与していることを示唆する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujimoto,K: "Fractureーflip and fractureーflip cytochemistry to study macromolecular architecture of membrane surfaces." Acta histochem.cytochem.24. (1991)
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[Publications] 藤本 和: "細胞膜表面構造解析のためのフラクチャ-フリップ法" 医学・生物学電子顕微鏡技術研究会誌. (1991)
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[Publications] Fujimoto,K: "Immunoelectron microscopy of protein kinase C in resting and phagocytosing macrophages" J.Histochem.Cytochem.(1991)