1990 Fiscal Year Annual Research Report
インタ-ロイキン6遺伝子異常発現による免疫異常症発症機構の研究
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02404032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平野 俊夫 大阪大学, 医学部, 教授 (40136718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
改正 恒康 大阪大学, 医学部, 助手 (60224325)
松田 正 大阪大学, 医学部, 助手 (20212219)
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Keywords | 自己免疫疾患 / インタ-ロイキン / 遺伝子発現 / ウイルス |
Research Abstract |
我々は、インタ-ロイキン6(ILー6)遺伝子の異常発現によって、慢性関節リウマチ(RA)等の自己免疫疾患やメサンギウム増殖性腎炎、あるいは多発性骨髄腫が発症する可能性を示唆すると共に、ILー6トランスジェニックマウスを作製し、ILー6異常産生によって、実際に、自己抗体産生を伴った著明な高ガンマグロブリン血症とメサンギウム増殖性腎炎が発症することを明らかにした。しかしながら、RA等の自己免疫疾患の原因は、単一要因では説明できない。実際、ILー6トランスジェニックマウスでは、関節炎の発症は認められない。本研究は、これら疾患の発症にILー6がどのように関与しているかを明かにするとともに、ILー6阻害剤が、これら疾患の発症を予防しうるかを明かにすることを目的とする。 致死量の放射線照射した正常マウスに、ILー6トランスジェニックマウスの骨髄を移植することによって、高ガンマグロブリン血症やメサンギウム増殖性腎炎が発症しうることを明かにした。又、ILー6トランスジェニックマウスにおける、高ガンマグロブリン血症やメサンギウム増殖性腎炎の発症を抗ヒトILー6モノクロ-ナル抗体投与で予防しうることを明かにした。さらに、C3HマウスとILー6トランスジェニックマウス(C57BL/6)のF_1マウスの骨髄細胞を(C57BL/6xC3H)F_1マウスに移植することによって、サイログロブリン単独で甲状腺炎が誘導されうることを示唆する結果が得られた。さらにILー6染色体遺伝子プロモ-タ-領域とルシフェラ-ゼ、ネオマイシン耐性遺伝子、及びCAT遺伝子と結合したリポ-タ-遺伝子を作製し、この遺伝子の発現がILー6産生細胞株において、誘導されることを確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Isshiki,H.et al: "Constitutive and ILー1 inducible factors interact with the ILー1 responsive element in the ILー6 gene." Mol.Cell.Biol.10. 2757-2764 (1990)
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[Publications] Akira,S.et al: "A nuclear factor for ILー6 expression(NFーILー6) is a member of a C/EBP family." EMBO J.9. 1897-1906 (1990)
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[Publications] Brach,M.A.et al: "Mechanisms of differential regulation of interleukinー6 mRNA accumulation by tumor necrosis factor alpha and lymphotoxin during monocytic differentiation." FEBS Letters. 263. 349-354 (1990)
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[Publications] Hirano,T.et al: "Biological and clinical aspects of interleukin 6." Immunology Today. 11. 443-449 (1990)
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[Publications] Tang,B.et al: "Ageーassociated increase in interleukinー6 in MRL/lpr mice^1." International Immunol.
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[Publications] Hirano,T.and T.Kishimoto.: "Handbook of Experimental Pharmacology vol.95/I “Peptide Growth Factors and Their Receptors"" SpringerーVerlag, 35 (1990)
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[Publications] Hirano,T.: "Interleukin 6 in immune response and Hematopoiesis." Hematological Growth Factors in Clinical Applications, 18 (1990)