1992 Fiscal Year Annual Research Report
肺の組織発生および分化における遺伝子発現に関する研究
Project/Area Number |
02404040
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 悦郎 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (10201831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 弘俊 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70222528)
棟方 充 北海道大学, 医学部, 講師 (00209991)
川上 義和 北海道大学, 医学部, 教授 (10001877)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / p53 / 喫煙 / 肺線維症 / 自己免疫マウス / サルコイドーシス / 細胞内遊離カルシウムイオン / memory T細胞 |
Research Abstract |
原発性肺癌組織における癌抑制遺伝子p53の異常を、免疫組織化学的に検討し、以下の結果を得た。 1)p53の異常は小細胞癌、扁平上皮癌に高頻度だった。 2)p53の異常は喫煙者に高頻度で、非喫煙者には認められなかった。p53は喫煙者による発癌に標的遺伝子と考えられた。 3)p53の異常は腫瘍径が3cm以下のT1症例において既に認められており、その異常は原発巣および転移巣において保存されていて、発癌の臨床的進行に関与するものと思われた。 気管内注入法を用い、4種類のマウスの系統でシリカ暴露を行った。この結果、1pr/1prマウスと+/+マウスとの比較では、当初の予想に反し+/+マウスで胞隔災の所見が強かった。またC57/B1マウス、C3H/Hejマウスにおいてもシリカ暴露を終了し、病理学的検索、肺ハイドロキシプロリン量を測定中である。またシリカ暴露では肺隔災の所見はあるものの、強い線維化病変の形成が少なかったため、これら4種類のマウスの系統でシリケートの暴露も行い、現在結果を解析中である。 サルコイドーシス肺胞T細胞は自己末梢血T細胞と比較すると、抗CD3抗体や抗CD2抗体刺激による細胞内遊離カルシウムイオン濃度の上昇応答が亢進している一方で、PHA刺激では逆に低下している。これらの結果は刺激物の濃度を変化させても同様に観察された。さらにこれらの現象は表面マーカーの検索より、CD45RO陽性のmemory T細胞の特性として解釈できることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 棟方 充: "特発性間質性肺災" 呼吸と循環. 41. 29-34 (1993)
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[Publications] 秋田 弘俊: "遺伝子発現からみた癌化と線維化" 呼吸. 12. 126-130 (1992)
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[Publications] 山口 悦郎: "肺胞T細胞の細胞内遊離カルシウムシオン応答" 医学のあゆみ. 163. 174 (1992)
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[Publications] 棟方 充: "III.サイトカイン.1L-2" 喘息. 5. 86-88 (1992)
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[Publications] 宮本 宏: "核DNA量とras癌遺伝子産物の発現性からみた肺非山細胞癌患者の予後" 肺癌. 32. 177-184 (1992)
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[Publications] H.Miyamoto: "The flow cytometric nuclear DNA content,tumor origin,mclear size and proghosis in squinmoas cell ling caincer.," Int.J.Oncol. 1. 325-329 (1992)