1990 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム・シグナリングに関わる心筋膜蛋白質の分子生理学的研究ー心筋弛緩不全解明へのアプロ-チー
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02404044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 誠 大阪大学, 医学部, 助手 (70223237)
星田 四朗 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助手 (80150340)
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Keywords | 単離心筋細胞 / 蛍光顕微鏡測光システム / 心筋小胞体 / 細胞内Ca動態 / ホスホランバン / 合成ペプチド / CaポンプATPase |
Research Abstract |
1.<モノクロナ-ル抗体の細胞内注入による筋小胞体Caシグナリング蛋白質機能の細胞レベルでの検討>___ー:pacing下の単離心筋細胞を用いてIndo Iによる細胞内Ca動態を蛍光顕微鏡測光システム(初年度申請)にて検討した。細胞内Ca動態は再現性よく測定された。さらに、βーagonist負荷、hypoxia、および種々の筋小胞体Caシグナリング蛋白質に対するモノクロナ-ル抗体の細胞内注入による効果を検討しつつある。 2.<合成ペプチドを用いた筋小胞体Caシグナリング蛋白質機能の検討>___ー:既に知られている心筋小胞体Caシグナリング蛋白質の一つであるホスホランバンの一次構造の機能部位から部分ペプチドを合成し、分子レベル、筋小胞体濾胞レベルで蛋白質機能への競合効果を調べた。ホスホランバン競合部位の部分ペプチドは単離心筋小胞体Caポンプ、および心筋小胞体濾胞のCaーATPase活性を濃度依存性に制御することが明らかとなった。骨格筋においても同様の検討を行ったが、この部分ペプチドは骨格筋小胞体のCaーATPase活性を修飾しなかった。 しかし、このペプチドはCaーATPase活性のCa濃度感受性に影響を与えず、従来報告されているホスホランバンの機能部位以外の部位がCaポンプに何等かの作用を及ぼしている可能性がある。現在ホスホランバンの機能部位以外の部位のペプチドを用い、上記と同様な検討を行いつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Inui,M.,et al: "Molecular mechanism of calcium uptake and release by cardiac sarcoplasmic reticulum" Jpn.Circ J.54. 1185-1191 (1990)
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[Publications] Kijima,Y,et al: "ProteinーProtein interaction of detergentーsolubilized Ca^<2+>ーATPase during ATP hydrolysis analyzed by lowーangle laser light scattering photometry coupled with highーperformance gel chromatography" Biochimica et Biophsica Acta. 1041. 1-8 (1990)
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[Publications] 多田 道彦,他: "心筋小胞体カルシウムシグナリング蛋白質" 蛋白質・核酸・酵素. 35. 1705-1714 (1990)