1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02404046
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
福山 幸夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70075175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 ゆみ 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00151142)
山内 あけみ 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70179737)
池谷 紀代子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70151313)
斎藤 加代子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90138834)
大沢 真木子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20119910)
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Keywords | 先天性筋ジストロフィー / ジストロフィンDNA / 免疫組織化学 / 筋CT / 脳CT / MRI / 脳病理 |
Research Abstract |
女子医大小児科通院中の先天性筋ジストロフィー(CMD)例を詳細に検討した。患者/家族で染色体高精度分染開始、同時にリンパ球よりDNA調製、16例でcell lineを確立した。40例でジストロフィンDNA分析を実施し、福山型(FCMD)とは明らかに異なる中枢神経系異常を伴なうCMDでジストロフィンDNA異常が判明した。骨格筋CTスキャンの分析結果でCMDとDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)年長児の冒され易い筋が同じと判明した。しかしCMDの筋組織のジストロフィン、ミオシン、ビメンチン抗体の免疫学的検討で、細胞形態の保たれている筋細胞では細胞膜にジストロフィン、細胞質にミオシンが存在していたがビメンチンは陰性で、細胞内のミオシン構築は不均一であった。DMDで観察されたビメンチン陽性細胞群はなかった。乳幼児期発症の重症DMDと思われた例の剖検で、筋ジストロフィン陽性、脳の奇形性病変が判明し、妹がCMDの臨床像を呈し、CMDとDMDの関連につき示唆にとむ所見が得られた。剖検例計7例の筋肉・脊髄・脳の病理所見を検討中。脊髄でも一部前角細胞の減少が認められるようである。また頭部CTとMRIの結果では白質低吸収域が加齢とともに程度を減ずると判明した。更に部位によっては白質の低吸収の程度が加齢と共に増強していた。病理所見からは循環障害の可能性も考えられる。また脳の奇形性病変の分布・広がりが本症の臨床像を修飾していることが判明した。本症の痙攣は、多くは発熱に誘発されるが無熱性に移行例が多いと判明した。既に本症患児をもつ2人の母が1例は患児、1例は正常児を出産した。病児の胎盤からDNA分析実施中。 福山は、世界の小児神経学者と本症につき討論する機会を得たので、本症に関する学会発表学術論文を渉猟し、リストを作成、特殊例について各研究者に詳細な情報提供を依頼した。また、全国の大学病院、国立療養所、研修病院を対象にアンケート調査を実施した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 村杉 寛子: "福山型先天性筋ジストロフィーの神経放射線学的研究" 東京女子医科大学雑誌. 62. 1155-1174 (1992)
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[Publications] 池中 晴美: "進行性筋ジストロフィーにおける血中筋漿酵素活性に関する研究第1編:Duchenne型筋ジストロフィーにおけるGOT,GPT,LDH,CK活性値の経年的推移およびGOT・GPT相互間の相関に関する研究" 東京女子医大学雑誌. 62. 1175-1184 (1992)
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[Publications] 池中 晴美: "第2編:先天性筋ジストロフィーにおけるGOT,GPT,GPT,LDH,CK活性値の経年的推移" 東京女子医大学雑誌. 62. 1185-1196 (1992)
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[Publications] 炭田 澤子,大澤 真木子,池中 晴美,ほか: "先天性筋ジストロフィーの皮膚紋理についての検討" 東京女子医大学雑誌. 62. 1197-1202 (1992)
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[Publications] 炭田 澤子,大澤 真木子: "進行性筋ジストロフィー症" 小児科診療. 55Suppl. 559-562 (1992)
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[Publications] 大澤 真木子,鈴木 典子,柳垣 繁,ほか: "眼振,著明な側彎を呈し,17歳で死亡した福山型先天性筋ジストロフィーの1例" 小児科診療. 55. 1317-1329 (1992)
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[Publications] Makiko Osawa: "Human Genome Research and Society,Proceedings of the 2nd International Bioethics Seminar in Fukui.(分担)" Eubios Ethics Institute, 173-178 (1992)