1990 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム障害に対するVitamin B_<12>奏効機序の動物モデルによる研究
Project/Area Number |
02404049
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
高橋 康郎 (財)東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門, 参事研究員 (00073057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 輝江 (財)東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門, 主事研究員 (70223998)
本多 芳子 (財)東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門, 主事研究員 (50142154)
臼井 節夫 (財)東京都神経科学総合研究所, 心理学研究部門, 主事研究員 (30160253)
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Keywords | ビタミンB_<12> / 概日リズム / 自由継続周期τ / ラット / 血中ビタミンB_<12>濃度 / 恒暗条件 / B_<12>過剰状態 / B_<12>欠乏状態 |
Research Abstract |
B_<12>の時間生物学的作用解明の一環として,ラット行動概日リズムの自由継続周期τに対するB_<12>の効果を検討した。 1.B_<12>過剰状態と欠乏状態でのτの比較:各5匹よりなるA,B2群の車廻しと飲水活動の恒常暗条件DD(<0.01 lx)でのτを計測し,血中B_<12>濃度との対応を検討した。B_<12>1mg/kgを含有する過剰食とB_<12>を全く含まない欠乏食を用意し,はじめの100日間はA群に過剰食をB群に欠乏食を与え,次の200日間はA群に欠乏食をB群に過剰食を与えた。血中B_<12>濃度が2000pg/ml以上になった時τが短縮したラットは6匹,B_<12>濃度が200pg/ml以下になった時τが延長したラットは5匹,いずれの場合もτが不変であったものが3匹であった。この結果はτがB_<12>過剰状態では短縮し,欠乏状態では延長することを示唆する。しかしτは血中B_<12>濃度の変化に対応して敏速に変化するものではなく,かなりの日数を経てからτが変化した。 2.B_<12>欠乏状態で大量のB_<12>を投与した時のτの変化:10匹にB_<12>欠乏食を100日間与え,血中B_<12>濃度が200pg/ml以下になった状態で,浸透圧ミニポンプによりB_<12>を流速0.92μg/h(C群5匹)と0.23μg/h(D群5匹)で連続2週間皮下注入した。血中B_<12>平均濃度は注入2週間目では,C群12862pg/ml,D群5342pg/mlと高値を示し,その後徐々に減少したが,注入85日目でもC群1073pg/ml,D群675pg/mlであった。自発運動(Animex)と飲水活動のτがB_<12>注入後短縮したラットは7匹あったが,短縮の程度は0.1h以下と僅かであった。 これらの結果はいずれもB_<12>が僅かではあるがτの短縮作用をもつことを示し,τが約25時間であるヒトの非24時間睡眠覚醒リズム症候群に対するB_<12>の奏効機序の一部を説明できる結果である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 高橋 康郎: "概日リズム障害に対するビタミンB_<12>奏効機序の動物モデルによる研究.1.ラット車廻しと飲水行動の概日リズムの自由継続周期に及ぼす効果." 精神薬療基金研究年報. 22. (1991)
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[Publications] 高橋 康郎: "概日リズム障害に対するビタミンB_<12>奏効機序の動物モデルによる研究" 東京都神経科学総合研究所研究紀要. 19. (1990)