1990 Fiscal Year Annual Research Report
肺移植後急性拒絶反応と肺感染の免疫組織学的鑑別に関する基礎的実験的研究
Project/Area Number |
02404055
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳生 邦良 東京大学, 医学部(病), 助手 (70157965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 仁 東京大学, 医学部(病), 講師
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Keywords | 肺移植 / 拒絶反応 / ラット / 気管支肺胞洗浄 / 単核細胞 / 肺感染 |
Research Abstract |
心肺移植や肺移植後の急性拒絶反応と肺感染の鑑別法を確立する目的で,ラットのモデルを用いて,肺組織と気管支肺胞洗浄(BAL)液の単核細胞亜集団を分析し,免疫組織化学的に検討した。【方法】MHCの異なる系(BN/LEWラット)で同所性左肺移植20匹を行い,免疫抑制せず,2,4,6日後にBALを行った。対照群はLEW/LEW同系移植30匹とした。またマイコプラズマ・プルモニス感染モデルの急性肺炎8匹と慢性肺炎6匹でもBALを行った。使用したモノクロナル抗体は,ED1:単球/マクロファ-ジ(Mφ),ED2:活性型Mφ,OX19:Tリンパ球,OX12:Bリンパ球。【結果】1.異系移植は全例急性拒絶反応を発症し,2日目の軽度拒絶反応から6日目の高度拒絶反応へ進行した。2.拒絶反応で血管や気管支周囲に浸潤する単核細胞は活性型および非活性型Mφが大部分で,T・Bリンパ球も増加した。高度拒絶反応では肺胞間質にもこれらの細胞が浸潤した。3.BAL液の総細胞数は拒絶反応2,4,6日目に10.7±4.9×10^5,14.5±7.3×10^5,56.2±35.6×10^5(P<0.05)と増加した。単核細胞亜集団は,特にMφが6日目に著明に増加し,T細胞,好中球も増加した。4.マイコプラズマ肺炎でも同様の細胞が血管や気管支周囲に浸潤してきた。5.マイコプラズマ感染のBAL液細胞数は7.5±2.0×10^5〜23.1±8.4×10^5で,Mφ,好中球,T細胞,B細胞の順に増加し,拒絶反応と有意な差はなかった。6.肺感染では,組織の部位により細胞浸潤の程度に差が著しいのに対して,拒絶反応では,全肺で同時に同程度に進行する血管や気管支周囲の同心円状の細胞漫潤が特徴的であった。【結語】ラットの移植肺急性拒絶反応とマイコプラズマ肺炎では肺組織や気管支肺胞洗浄液に類似の単核細胞亜集団が浸潤したが,その組織内分布に差異がみられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Yagyu,G.Steinhoff,H.J.Schaefers,L.Dammenhayn,A.Haverich,H.G.Borst: "Comparison of mononuclear cell subpopulations in bronchoalveolar lavage fluid in acute rejection after lung transplantation and mycoplasma infection in rats." The Journal of Heart Transplantation. 9. 516-525 (1990)