1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02404059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米延 策雄 大阪大学, 医学部, 講師 (50127320)
田中 正夫 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40163571)
江原 宗平 大阪大学, 医学部, 助手 (40176780)
森本 吉春 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20029573)
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Keywords | 椎間板変性 / 頸椎症 / 骨棘 / 運動解析 / 力学的負荷 / 疲労現像 / せん断力 / 曲げモ-メント |
Research Abstract |
各年代にわたる150人のアテト-ゼ型脳性麻痺患者を登録した。今後長期にわたり頸椎症変化を観察し得る。第一段階の調査では、アテト-ゼ型脳性麻痺患者の頸椎症変化は一般健常人より約30年進行が早いことが判明した。上位頸椎は辷り不安定性が著明で下位頸椎は頸椎症変化が若年より重症化する。頸椎における力学的負荷の蓄積の普遍的結果を示す。これらの患者における頸椎運動解析によりその運動様式が著しく異なることが判明した。矢状面運動において頸椎運動の速度・加速度が著しく大きい、あるいは、時間的いびつさを有する。加速度としては、健常人の2.7倍が記録された。頭頸部運動は頭部を『重り』、頸部(頸椎)を『はり』とする片持ちばりの運動と近似でき、その大きな加速度により上位頸椎には著しいせん断力、下位頸椎には曲げモ-メントが生じていると考えられ、これらが前述の辷り不安定(上位頸椎)並びに骨棘形成(下位頸椎)を促進する力学的因子と推察される。さらに運動解析の継続により『力』についての推論、並びに回旋も含めて同一個体内の運動様式上の特徴が将来どのような頸椎変化を生じるか、引き続き観察することを通して、どのような力学的負荷が頸椎破綻の基因であるかを追求する。さらに術中不安定測定により脊椎構成因子が力学的負荷に対して、各々、どのような維持機構を有するかについて判明しつつある。さらに以上のような、いかなる力学的負荷が構造破綻を生じるかという点と同様にそのくり返し(すなわち疲労現像)がいかに脊椎の構築破綻をきたすかという問題を家兎の脊椎にくり返し負荷を加えることにより、頸椎症の作成が可能であることを明らかにした。現在、どの方向、どの程度の力のくり返しがどのような脊椎の拳動と構築破綻を生じるかについて実験継続中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 原田 武雄、小野 啓郎、他: "アテト-ゼ型脳性麻痺の頸椎椎間板変性の自然経過" 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 33. 80-82 (1990)
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[Publications] 江原 宗平、小野 啓郎、他: "腰椎不安定性の術中測定の試み" 日本整形外科学科誌. 64. 347 (1990)
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[Publications] 山崎 勇二、小野 啓郎、森本 吉春、田中 正夫、瀬口 靖幸: "アテト-ゼ型脳性麻痺における頸椎運動の解析" 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 33. 82-84 (1990)
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[Publications] 原田 武雄、小野 啓郎、他: "高齢者の頸椎椎間板変性" 日本脊椎外科学会誌. 1. 51 (1990)
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[Publications] 和田 英路、江原 宗平、小野 啓郎、他: "家兎の脊椎における骨棘形成実験" 日本整形外科学会雑誌. 64. 1091 (1990)
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[Publications] Eiji Wada,Sohei Ebara,Keiro Ono,et al.: "Experimental spondylosis in rabbit spine" Transaction of the 37th Annual Meeting of Orthopaedic Research Society. 37. 694 (1991)