1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02404061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉岡 洋一 九州大学, 医学部, 教授 (30037361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 準一 整形外科福岡県立粕屋新光園, 医師
三浦 裕正 九州大学, 医学部, 医員
林 和生 九州大学, 医学部, 助手 (20180961)
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Keywords | 表面置換型人工股関節 / バイオメカニクス / 有限要素法 / 剛体バネモデル / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
従来の表面置換型人工股関節は、骨頭表面を広範に置換するため骨頭壊死の発生率が高く、それにともなうル-スニングが手術成績不良の一因となっていた。従って我々は骨頭壊死の防止とコンポ-ネントの固定性改善という観点から、まず大腿骨側コンポ-ネントの基本設計を行なった。基本モデルとして、骨頭栄養血管の温存をはかるため日常生活上必要最小限の股関節可動域を想定し、置換面積を極小化したものを考案した。またコンポ-ネント中央にペグを付加することにより初期固定性向上をめざした。この基本モデルと代表的な従来のモデルとを有限要素法、剛体バネモデルなどの計算機による力学解析を用いて比較検討した。従来型ではインプラントを大腿骨頭頚部軸に平行に挿入するが、通常骨頭合力の方向は頚部軸に一致しないため荷重部直下のインプラント一骨頭界面に高い応力集中を認めた。我々のモデルは骨頭置換面積を極小化しているため、骨頭合力の方向に合わせた設置が可能で界面の応力集中を緩和することができた。つまりコンポ-ネントの小型化により栄養血管の温存と力学的条件の改善が期待され、初期固定の維持に有利であることが示された。この研究は第6回日本整形外科学会基礎学術集会に発表予定である。 また固定性の向上には適切な生体材料の選択が必要とされる。我々は摺動面にはチタン、あるいはセラミックを考慮し、界面部には骨と化学結合するハイドロキシアパタイトをコ-ティングする予定である。現在犬股関節用にハイドロキシアパタイトコ-ティングを施したチタン性大腿骨コンポ-ネントを作製し、実際に挿入実験を行っており、今後コンポ-ネントの固定性について組織学的、力学的な評価を進めていく予定である.
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