1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02404067
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
友田 豊 名古屋大学, 医学部, 教授 (60023769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 史隆 名古屋大学, 医学部, 助手 (40224985)
加納 武夫 名古屋大学, 医学部, 講師 (50169596)
後藤 節子 名古屋大学, 医学部, 講師 (80111847)
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Keywords | 卵巣腫瘍 / 化学療法 / 腫瘍マ-カ- |
Research Abstract |
我々は名古屋大学とその関連病院よりなる東海卵巣腫瘍研究会を組織して、現在CAP(CPA,ADR,CDDP)とPVB(CDDP,VLB,BLM)の効果を比較中である。各々、導入化学療法として6コ-ス、維持療法として2年間、3ケ月ごとに繰り返す治療を施行している。また6ケ月から1年の間にsecond look operationを施行し残存腫瘍は積極的に摘出している。現在までに解析し得た143例中、CAP群80例、PVB群50例において各々の寛解率は66%と82%でありPVB群でやや有効であった。寛解に至った94例中42例が再発しており、そのうち10例はリンパ節だけに腫瘍を認めた。このことは初回手術時のリンパ節郭清の必要性を示唆している。今後更に症例を増やして慎重に検討する必要があろう。 病理組織型ではserous70,mucinous19,endometrioid23,clear29,unclassified2例であった。寛解後の再発率を見るとserous65%(31/45),mucinous6.7%(1/15),endometrioid5%(1/20),clear47%(9/19),unclassified0%(0/2)であった。このことからmucinousとendometrioidでは、まず寛解に持ち込むことが、serousとclearでは、寛解後の再発をいかに防ぐかが重要である。 寛解症例においては、引き続いて維持療法が平均5.7コ-ス施行されているが、9コ-ス以上の施行例でも50%(3/6)が再発している。維持療法そのものが無効なのか、各種制癌剤に対する耐性獲得によるものなのか現在検討中である。 CDDPに対する耐性機構を我々が樹立した卵巣癌由来耐性細胞株で基礎的研究を進めている。その結果耐性株では親株に比してCDDPの細胞内濃度が有意に低下していた。更に制癌剤の解毒に関与しているGSTーπのmーRNAが約3倍に増大していた。現在更に詳細な耐性機構の解明を急ぐと共に耐性克服への基礎的実験を行っている。
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[Publications] Norio Kamiya: "Simultaneous Measurement of CA 125,CA 19ー9,Tissue Polypeptide Antigen,and Immunosuppressive Acidic Protein to Predict Recurrence of Ovarian Cancer" Obstetrics & Gynecology. 76. 417-421 (1990)
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[Publications] Michiyasu Kawai: "αーFetoprotein in Malignant Germ Cell Tumors of the Ovary" Gynecologic Oncology. 39. 160-166 (1990)
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[Publications] Kimio Mizuno: "Mitomycin C crossーresistance induced by Adriamycin in human ovarian cancer cells in vitro" Cancer Chemotherapy and Pharmacology. 26. 333-339 (1990)
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[Publications] 友田 豊: "卵巣癌における治療上の問題点" 産婦人科の進歩. 42. 61-66 (1990)
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[Publications] 友田 豊: "悪性腫瘍の(外科)治療の変遷と予後 婦人科癌(卵巣癌,子宮癌)" 現代医学.