1990 Fiscal Year Annual Research Report
再発性消化器癌患者の腹部愁訴とその軽減法ーとくに腹痛と皮膚温度との関係についてー
Project/Area Number |
02404081
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
安達 秀雄 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90031971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 美香 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10218894)
井山 寿美子 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40116314)
笠木 健 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50031993)
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Keywords | 癌性腹痛とその軽減法 / 腹痛と皮膚温、血流量 / 皮膚効果とサ-モグラフィ- |
Research Abstract |
癌性疼痛に対しては対症療法といっても、発生要因に適確に反応するものでなければ、これを抑えることは困難である場合が多い。今回、罨法療法の疼痛緩和に関する皮膚効果を検討するため、皮膚温と皮膚血流量の観点から基礎実験を行った。 罨法材料としては蒸しタオル、寒温両用湿布剤(ホットパック)、温感パップ剤(モムホット)、貼布型温熱シップ(サ-モシップ)の4種を使用した。罨法部は左前腕の肘窩部とし、保温効果をみるためタオルで腕の全域を被覆した場合と非被覆の場合の皮膚効果につきそれぞれ追跡した。さらに上記罨法部を氷頸(氷嚢を環状にし頸部に使用)を用いて冷刺激を加えた後、肘窩部の中枢側と末梢側をそれぞれ別個に暖め、冷刺激部の皮膚温が冷刺激前の皮膚温に戻るまで観察した。罨法時間は蒸しタオル20分、ホットパック20分、モムホット90分、サ-モシップ300分とした。 その結果、前記4種の罨法材料中、モムホットを除く他の3種では皮膚温、皮膚血流量共に上昇した。皮膚温の上昇と温熱持続の点で優れた罨法材料はサ-モシップであった。モムホットは冷刺激効果を有し、皮膚温は下降した。前記4種の罨法剤使用時、タオル被覆により皮膚温と皮膚血流量はいずれも上昇し、罨法効果があると判定した。サ-モグラフィ-による皮膚効果判定では、非罨法側(右腕)の前腕は罨法側(左腕)の前腕に極めて類似の反応を示しているのが観察された。これは自律神経機能の関与によるものと推測したが、疼痛個所に損傷があり罨法療法が加えられない場合、反対側に罨法することにより、疼痛個所に罨法するのと同様の効果が得られる可能性があることを示唆する興味ある所見と判断した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 安達 秀雄,他: "胃切除術後の患者に対する食事援助ー味覚異常と食欲低下に関する看護学的研究ー" 平成元年度科学研究費補助金一般研究(B) 研究成果報告書. (1990)
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[Publications] 安達 秀雄,他: "胃手術患者の摂食状況と味覚変化ー摂食量の低下と味覚異常の関連についてー" 鳥取大学医療技術短期大学部研究報告. 13. 15-24 (1989)
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[Publications] 井山 寿美子,他: "消化器外科における再発癌患者の終末期看護ー患者愁訴と鎮痛剤の関係ー" 日本がん看護学会誌. 4. 38-41 (1990)
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[Publications] 井山 寿美子,他: "消化器癌終末期患者の除痛対策に対する看護アセスメントの活用とQOLについて" 日本がん看護学会誌(投稿中). 5. (1991)
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[Publications] 福井 美香,他: "胃切患者の残食調査による栄養摂取量と充足度についての分析" 鳥取大学医療技術短期大学部研究報告. 16. (1991)
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[Publications] 笠木 健,他: "胃手術患者の摂食状況と味覚変化ー3事例における栄養充足度にもとずいた食事援助ー" 鳥取大学医療技術短期大学部研究報告. 14. 5-14 (1990)
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[Publications] 安達 秀雄,他訳: "Nursing Critically Ill Patients Confidently(Capter 10 GI bleeding and pancreatitis)" 西村書店出版部, 180 (1991)
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[Publications] 井山 寿美子,他訳: "Nursing Critically Ill Patients Confidently(Capter 10 GI bleeding and pancreatitis)" 西村書店出版部, 180 (1991)