1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02404089
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 理学部, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 薫 名古屋大学, 理学部, 助手 (20225494)
野口 俊之 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90172775)
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Keywords | モジュ-ル / タンパク質設計 / モジュ-ルのデ-タベ-ス / タンパク質高次構造 / 分子進化 / コンピュ-タ・グラフィックス |
Research Abstract |
この課題の研究目的はタンパク質のモジュ-ル自体の構造およびそれらの集合形態の構造と機能を解析し、タンパク質の構造、機能および進化におけるモジュ-ル構造の生物学的意義を明らかにし、生命体が進化の過程で獲得した、タンパク質の高次構造の設計原理の解明に寄与することである。本年は2年目であるが最終年度でもある。以下の研究成果が達成された。 (1)モジュ-ルの機能的、構造的な役割分担:多くのDNA結合タンパク質に共通に存在する、ヘリックス-タ-ン-ヘリックスモチ-フは単一のモジュ-ルであること、さらにこのモジュ-ルは機能ユニットとしてだけではなく、構造ユニットとして、同じタンパク質内に2または3回繰り返して使われている例を明らかにした。この事実はタンパク質の初期進化において、規格性をもつ部品がモジュ-ルとして組み込まれたことを示している。(郷) (2)モジュ-ルの動的構造と機能の関連:原核生物由来のリボヌクレア-ゼの一種バルナ-ゼは6個のモジュ-ルに分かれた。コンピュ-タによる予備的な実験を行なった結果、モジュ-ルM3が最もダイナミックな性質を示した。この事実はRNA結合部位が動的に柔軟な立体構造を持つことを示唆している。(野口、郷) (3)モジュ-ル構造の空間的相互作用の解析および本研究課題の総括:機能的には異なるが、共通にTIMバレル型構造をもつタンパク質について、モジュ-ル構成の不変性と可変性を解析した。この結果、機能と挿入モジュ-ルの相関関係が明らかになり、さらにモジュ-ルの連結様式のル-ルを明らかにするための基礎を築くことができた。(郷、小林)
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tsuyoshi Shirai: "“RNaseーlike domain in DNAーdirected RNA Polymerase II"" Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88. 9056-9060 (1991)
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[Publications] Kenーichi Yoshikawa: "“Hydrogen bond network of cytochrome P450cam:A network connecting the heme group with helix K"" Biochem.Biophys.Acta.
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[Publications] Yasumitsu Takagi: "“Evolutionary Origin of Thyroglobulin by Duplication of Esterase Gene"" FEBS LETTERS. 282. 17-22 (1991)
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[Publications] Kei Yura: "“New Types of βーturns in Globular Proteins""
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[Publications] Kenーichi Takahashi: "“Protein module is a mechanically stable structural element""
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[Publications] Kei Yura: "“Repeat of Helixーturnーhelix module in DNA binding proteins"
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[Publications] Mitiko Go: "Evolution of Life“Module Organization in Proteins and Exon Shuffling"" eds.S.Osawa & T.Honjo(SpringerーVerlag), 460 (1991)
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[Publications] 野口 俊之: "タンパク質研究の最前線“タンパク質立体構造の多重性と柔らかさ"" 赤坂一之編(さんえい出版), 207 (1991)