1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02405009
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
牛川 喜幸 奈良国立文化財研究所, 飛島藤原宮跡発掘調査部, 部長 (40000468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 長二郎 文化庁, 文化財保護部・建造物課, 主任調査官 (60261252)
本中 真 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 主任研究官 (30113434)
黒崎 直 奈良国立文化財研究所, 飛鳥島原宮跡発掘調査部, 室長 (60000494)
橋本 義則 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (60164802)
山岸 常人 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (00142018)
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Keywords | 寝殿造住宅 / 庭園 / 日記 / 発掘遺構 / 政治制度 / 家族制度 / 儀式 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き次の資料収集・整理作業を行った。(1)既往の研究成果の文献目録の作成・増補(2)公刊されている平安時代の古記録(日記・記録)等から寝殿造住宅関係史料の抽出(大日本古記録・史料纂集・増補史料大成等所収の古記録)、(3)諸機関所蔵の古記録原本・写本類の調査(前田育徳会尊経閣文庫・東京大学史料編纂所等)、(4)発掘調査報告書の検索による寝殿造を含めた住宅関係遺跡の発掘成果の収集(中部地方及び近畿地方の兵庫県まで終了)。以上の作業を行った上で、(1)については増補分のデ-タを、また(2)については収集史料の一部を、昨年度購入したパ-ソナルコンピュ-タを用いてデ-タベ-スを作成し、入力した。また(4)については収集した発掘調査内容に関する文字によるデ-タの入力のみならず、発掘調査の成果を視覚的に表現した遺構図等の図面類をスキャナ-によってパ-ソナルコンピュ-タに取り込み、文字デ-タとともにデ-タベ-スとして構築する試みを開始した。本年度も上記の資料収集・整理作業に多大の時間と労力を費やし、また次年度以降においても本年度と同様の作業を継続しなければならない。一方研究作業としては上記の(2)(3)(4)の収集資料を研究分担者が個々の研究分担に従い分析作業を継続して行ったが、本年度は研究代表者の交替もあり、組織的な研究体制の構築が不十分で、研究会を開催することができなかった。この点については次年度における研究体制の建て直しが必須である。なお(1)については、鈴木亘氏の近著『平安宮内裏の研究』を取り上げて詳細な検討を加え、建築史学的手法による寝殿造関係史料の分析・研究上の問題点を整理し、その成果を書評として公表した。いずれにしても本研究の中心的な課題である寝殿造住宅そのものの研究とそれを支えた政治制度・儀式・社会経済的背景・生活様式・家族制度との関わりの解明などは次年度以降の研究課題である。
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