1992 Fiscal Year Annual Research Report
現代論理学の手法による日本語意味論研究に基づく存在-認識概念の再検討
Project/Area Number |
02451001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
飯田 隆 千葉大学, 文学部, 教授 (10117327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 俊 千葉大学, 文学部, 助教授 (50155404)
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Keywords | 日本語の意味論 / 論理的意味論 / 言語哲学 |
Research Abstract |
本年度は、平成2年度・3年度に行われた、日本語を対象とする形式的意味論研究を取りまとめるとともに、その成果を伝統的哲学研究と対比する作業を行った。詳しくは、研究成果報告書に述べたが、主要な結果は以下の通りである。 1.自然言語の意味論に対する哲学において伝統的であったアプローチは、文法的適格性を問題とするシンタックス、文の真理条件をもっぱら問題とするセマンティクス、文の個別的使用にかかわる側面を問題とするプラグマティクスの三分野から成るものであった。この三分法は哲学のなかでも次第と問題視されるようになってきているが、日本語を対象とする研究は、この三分法がきわめて多くの場所で破綻することを明らかにした。 2.しかしながら、現在、この三分法に代わりうる理論的枠組みが存在しないことも事実である。残念ながら、本研究では、代替的枠組みを堤案できるまでには至らなかったが、少なくとも旧来のセマンティクスとプラグマティクスの接合点についていくつかの示唆を行った。 3.日本語の形容詞の研究が、伝統的哲学における認識論的問題、とりわけ、他我問題ならびに知覚の問題に対して新たな展望を開きうることが示唆された。これは主として研究代表者による研究に含まれている。 日本語における量化表現が、主として研究分担者によって研究され、哲学において「言語の存在論的含み」という名称のもとで研究されてきた主題との関連が追求された。
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Research Products
(2 results)