1991 Fiscal Year Annual Research Report
情報化にともなうライフチャンスとコミュニティ構造の変容
Project/Area Number |
02451025
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
新 睦人 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70031656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中道 実 同志社大学, 助教授 (40067690)
田中 紀行 奈良女子大学, 文学部, 講師 (20212037)
中川 早苗 奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (80093558)
中島 道男 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10144635)
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Keywords | ライフチャンス / ライフスタイル / コミュニティ / 第一次集団 / 情報メディア / コミュニケ-ション・メディア / 共同化契機 / 社会変動 |
Research Abstract |
情報化が進行するのにともなって,私たちのコミュニケ-ション・ネットワ-クが飛躍的に発展したことは從来の先行する諸研究でも確認されてきた。とりわけ,情報メディアの布置状況がマス・コミに加えてニュ-メディア・コミュニケ-ションを可能とするものに変化した様相は「コミュニケ-ションの3段の流れ」と呼ぶべき構造として定着しつつある。当然なことであるが,この変化は,情報処理過程,なかでも伝達過程を媒介する専門的なシステムである情報メディアの機能内容のみならず,各種のコミュニケ-ション・メディア,たとえば貨幣,権力,真理,愛などのメディア機能にも変化をもたらしている。 こうしたコミュニケ-ション構造の大規模な変化が,私たちの相互作用過程に結晶化するコミュニティの構造,すなわち,私たち相互の共同化契機となる各種の生活諸要素における何らかの公共的な共同性と拡散的な包括性が日常的な生活拠点に持続的な結合の場を形成している様相にも新しい展開を引き起こし,かつて近代化の歴史的な過程で伝統コミュニティに根底的な変化を生みだしたのに対応しうるような変化を運動的に生みだしつつあることが判った。典型的な問題は,コミュニティを成りたたせる様として人びとをつなぎ合わせる共同と包括のパタ-ンと規模が変化したことで,私たちのコミュニティ体験が「地図にないコミュニティ」と呼ぶべき情報空間によって促進されうるようになり,具体的な人間の相互作用として実体性をもっていた從来のコミュニティ観念に変化をもたらしつつある点にある。その根底には,第一次諸集団の機能と構造における変質過程が横たわっている。 ライフチャンスの構造は,このような変化の複合として成りたつ社会変動と相互に関連しながら,人びとそれぞれのライフスタイルに応じて定まっていることが明らかになっている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 新 睦人,塩原 勉,飯島 伸子,松本 通晴,新 睦人 編集: "生活システム" 『現代日本の生活変動』(世界思想社). 184-201 (1991)
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[Publications] 新 睦人: "情報化社会の価値理念" 東洋学術研究. 28巻3号. 152-177 (1989)
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[Publications] 新 睦人: "都市にとって『情報化』とは何か" 都市問題研究. 41巻1号. 3-21 (1989)
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[Publications] 新 睦人: "「情報化社会」の進展と都市" 都市問題. 82巻12号. 3-14 (1991)
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[Publications] 新 睦人: "社会化環境の現代的な問題状況" 奈良女子大学文学部附属中・高等学校研究紀要. 31集. 2-20 (1990)
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[Publications] 新 睦人: "「生活」研究の方法的な基礎(上)" 奈良女子大学文学部研究年報. 34号. 26-47 (1990)
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[Publications] 新 睦人: "現代人の生活の原理" 恒星社厚生閣, 400 (1992)
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[Publications] 新 睦人: "地位の社会学〜成層システムの理論〜(予定)" 世界思想社, 400 (1992)