1990 Fiscal Year Annual Research Report
多様な感覚障害を伴う重複障害児の日常生活の初期的行動調整の促進に関する実践的研究
Project/Area Number |
02451043
|
Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
藤島 省太 国立特殊教育総合研究所, 聴覚言語障害教育研究部, 研究員 (90165374)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 清実 東北大学, 教育学部, 助手 (80111243)
中沢 恵江 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 研究員 (60155702)
土谷 良巳 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 研究員 (00142000)
|
Keywords | 重複障害児 / 行動調整 / 信号系活動 / 交信 / 探索 / 事例研究 / 盲ろう |
Research Abstract |
本研究は、視覚的および聴覚的な感覚障害と精神遅滞、肢体不自由、自閉的傾向等の障害を併せもつ重複障害児を対象とし、彼等の行動調整の諸側面のうち、教育への導入に深く関わる初期的な行動調整を促すための教育的援助の具体的な内容と方法を実践的に解明することを目的として行った。とくに、教育現場における係わり手自身の混乱を解消するには、重複障害児に対する生活単元学習や養護・訓練などの指導内容と深く関わる身辺自立活動、感覚・運動活動、コミュニケ-ション活動、環境認知・探索活動などに含まれる初期的な諸行動がどのように促進されるのかを明らかすることが重要であると考えられる。 今年度は、多様な感覚障害を併せもつ重複障害児の特殊教育諸学校における教育的処遇の実態把握を行なう目的で、各研究分担者による学校訪問および調査を実施した。また、対象となる重複障害事例を選定し、子どもと係わり手相互の障害状況の把握を、各研究分担者相互の訪問による行動観察および研究協議を実施しながら進めた。さらに、関連領域において重複障害事例との実践を行なっている研究協力者から情報収集を行いながら、それをもとに討議を行なった。 その結果、1960年代に盛んに行われていた重複障害児に対する教育実践のフォロ-に関して、盲学校・聾学校のフォロ-の体制が十分でないことが示唆された。これは、重複障害児の担任が担当する期間が短いという教育現場の体制が、より丁寧な係わりを必要としている重複障害児の教育の在り方とはそぐわないことを示していると考えられる。この点については、最終報告書で詳細に検討する必要があると考えられる。
|
-
[Publications] 藤島 省太: "交信関係の拡がりの過程における音声言語発信と行動調整の諸相について" 国立特殊教育総合研究所研究紀要. 18. 43-51 (1991)
-
[Publications] 中澤 恵江: "視覚系の信号系活動の促進にあずかる条件その1ーレット症候群と診断されている一人のこどもとの実践研究を通してー" 国立特殊教育総合研究所研究紀要. 18. 85-93 (1991)