1991 Fiscal Year Annual Research Report
多様な感覚障害を伴う重複障害児の日常生活の初期的行動調整の捉進に関する実践的研究
Project/Area Number |
02451043
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
土谷 良巳 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 主任研究官 (00142000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤島 省太 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (90165374)
中澤 恵江 国立特殊教育総合研究所, 重複障害教育研究部, 主任研究官 (60155702)
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Keywords | 盲聾重複障害 / 感覚障害 / 重複障害 / 行動調整 / 実践研究 / 事例研究 |
Research Abstract |
視覚及び聴覚の障害を同時に併せもつ、いわゆる盲聾二重障害児5名を対象にした。そのほとんどが、精神遅滞,肢体不自由、自閉傾向等のなんらかの他の障害をさらに有するとされていた。彼らの初期的な行動調整に関して多面的な検討を行なうことができたが、対象となった子どもたちの、生活における実際的、具体的な課題に即して研究を進めるという実践研究の性格上、扱われた課題が限られたものとなった。 2年間にわたる研究により、以下の7つの実践的研究を纏めることができた。 〔事例KK〕:「盲聾であることと探索活動ー不確定域における一人の盲聾児の行動調整の現れー」 「ある盲聾児との教育的係わり合いー不登校への対処とその経過についてー」 〔事例Y〕:「Yさんの合宿における係わり合いから学んだこと」 「食べること学ぶこと話すことーYo君との3年間の係わり合いを通してー」 〔事例MY〕:「視覚・聴覚及び軽度精神発達遅滞の障害を持つY児との関り合いー養育と指導訓練についてー」 〔事例MS〕:「一盲難聴幼児の生活の広がりを促す方策を探るー集中指導を通してー」 〔事例KS〕:「視聴覚二重障害を伴う子どもとの係わり合いー係わり合いの滞りに視点をおいてー」 個々の実践研究で検討された課題は、各々の論文に示されているように個別的、具体的なものであったが、それらを通じて、実践の在り方、研究の進め方について、盲聾重複障害に関し安易なモデル化を慎むこと、係わりについてのマニュアル化は当面は避けるべきであること、子どもとの係わり合いを「相互性(やりとり)」の視点から検討すること、事例研究の集積が必要なことが強調された。
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Research Products
(1 results)