1990 Fiscal Year Annual Research Report
シェイクスピアの作品の解釈と受容における文化的表象の機能に関する考察
Project/Area Number |
02451060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 康也 東京大学, 教養学部, 教授 (20012297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹治 愛 東京大学, 教養学部, 助教授 (90133686)
高村 忠明 東京大学, 教養学部, 助教授 (10092256)
成田 篤彦 東京大学, 教養学部, 助教授 (30017363)
出淵 博 東京大学, 教養学部, 教授 (40016621)
山内 久明 東京大学, 教養学部, 教授 (30108203)
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Keywords | シェイクスピア / 文化表象 / 比喩 / 歴史 / 近代 / 自然 / センス / 論理性 |
Research Abstract |
シェイクスピアの作品に窺える比喩に関して、過去の研究成果の確認を行うと同時に、比喩の特質、機能、文化的相関性などに亘って個別的・共同的研究を行った。その結果、全般的に、近代の論理性を超えた機能を持ち、しかも理解・解釈にあたって、比喩自体が抽象化され、その次元で消化されてしまうことに強い低抗を示す傾向があると判断するに至った。この問題は、従来の英文学史などでは、「コンシィ-ト」の歴史的受容の問題として論じられて来たところと重なり、さらには、TSエリオットの提起した「感性の断絶」の展望とも絡むことは明らかであり、従って、これらの旧来の問題意識を、表象文化論の観点から分析整理する作品にとりかかった。これは、各研究分担者が進めている「時代固有」の文化表象の研究に照らして、更に精緻にしてゆくなかで、根本的には、「センス」に関する相対文化論的分析へと行く行くは結実し、表象文化論における重要な座標軸を提供するものと期待される。 比喩表象のなかでも、「歴史」にまつわるいくつか基本的なもの(例えば、「目的・終焉」など)を選び、共同研究を行い、その結果大筋として以下のような結論を得た。近代から現代へ進むにつれて、「歴史」概念は、初めは「自然」概念に本来備っていた生命力の発露の感覚と密接に関連していたにもかかわらず、次第に自立した構造になろうとする動きを見せている。この問題は、文化表象の個別具体的分析を通して更に考察される必要がある。
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Research Products
(2 results)