1990 Fiscal Year Annual Research Report
金融業における人材のプロフェショナル化と文科系大学院教育の将来
Project/Area Number |
02451076
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石田 英夫 慶応義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 教授 (00051300)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清家 篤 慶応義塾大学, 商学部, 助教授 (50137981)
重里 俊行 慶応義塾大学, 商学部, 助教授 (30122055)
佐野 陽子 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (10051210)
|
Keywords | 経営人材 / ゴ-ルドカラ- / プロフェショナル / 金融機関 / ビジネス・スク-ル / 日本的経営 / 企業内養成 / 専門 |
Research Abstract |
最近の企業内労働市場における問題点 1.経営人材を確保マるために、新卒内部養成型の限界を補うため、中途採用が増加している。さらに、企業外の学校教育機関としてビジネススク-ルが注目されている。しかしアメリカでは、ビジネススク-ルが果して役に立つのかどうかという疑問もあり、日本的経営への関心も根強い。これからの経営人材の確保は、どうあるべきか。 2.給与体系や人事管理慣行など、企業の個別性が問われている。給与には、プロフィット・シェアリングの要素があり、同じ仕事をしても高収益安定企業は給与水準が高い。ジョブ・ロ-テ-ションとはいうが、企業内人事異動の巾はまちまちであり、職種によっては、内部で満たされない高度専門職もあれば、不人気職場もある。社外の専門家を活用する、業務の外部化も進む可能性がある。 3.人材流動化 人手不足経済の下で、ホワイトカラ-、管理職候補を含むマネジメント層の労働市場にも動きが出てきている。基本的には、業態の多様化に伴う経営人材の需要増加に端を発しているが、年功的経営慣行に対するショックを求めて中途採用をおこなう場合もある。いずれにしてもキャリアの途中の入職者は、プロフェショナル化が不可避である。しかし量的に見ると、金融機関の中でも都市銀行と生保・損保はなお守りが固く、次いで証券であり、すば抜けて流動化が進んでいるのは外資系である。 4.これまでの内部養成という意味の中には、昇進への順番待ちという意味もあった。専門性が高く買われれば、人は市場の中で需要発生個所へ移って行くことになる。語学力、専門知識、総合理解力など、現代のプロフェショナル性は、大学院教育と無縁ではない。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 石田 英夫: "金融機関の海外拠点における人材の現地化" 慶應経営論集. 8巻第1号. (1988)
-
[Publications] 石田 英夫: "マネジメントの現地化問題" 日本労働協会雑誌. No.357. 28-35 (1989)
-
[Publications] 佐野 陽子: "男女雇用均等下の女子労務管理" 現代労務管理の課達と展望. 229-245 (1988)
-
[Publications] 佐野 陽子: "給与水準を決めるものー金融業の利益分配と他社準拠" 三田商学研究. 33巻3号. 54-70 (1990)
-
[Publications] 重里 俊行: "大学生の就職と情報" ESP. No.168. 30-34 (1986)
-
[Publications] 清家 篤: "高齢者の労働供給に与える公的年金の効果の測定" 日本労働協会雑誌. 359. 11-19 (1989)
-
[Publications] 石田 英夫・白木 三秀: "企業グロ-バル化の人材戦略" 日刊工業新聞社, 300 (1990)
-
[Publications] 佐野 陽子: "企業内労働市場" 有斐閣, 274 (1989)