1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02451080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橘木 俊詔 京都大学, 経済研究所, 教授 (70112000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 匡 名古屋大学, 経済学部, 講師 (60200474)
池尾 和人 京都大学, 経済学部, 助教授 (00135930)
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Keywords | 高齢者の資産選択 / 社会保障 |
Research Abstract |
本年度は家計における金融資産選択のモデルを作成することに全力を注いだ。特に高齢者に焦点をあわせて、実物資産(特に住宅と土地)を保有している高齢者と保有していない高齢者の差異に注目して、資産選択の現状を分析できるようなモデルにした。それに加えて、高齢者は公的・私的をとわず年金給付を受けており、その影響力を受けているのであるが、その効果を分析できるような配慮をした。さらに、高齢者の特色を抽出するために、非高齢者との比較をも行なうことに努めた。 ここで重要な視点を提供するものとして、家計の危険回避度の役割があるが、本研究ではこの家計危険回避度の影響力が家計の資産選択にどれほどおよぶかを検証できるようにモデル化した。 以上のような理論フレ-ム・ワ-クの下でモデルを設定し、現在は計量分析方法の1つであるト-ビット法に立脚して、推定を鋭意続行中である。来年度はこの推計作業を終えて、論文の完成を目指すものである。 成果は英語で発表する予定である。 使用するデ-タとしては郵政省の編さんしたデ-タ、総務庁の作成した家計調査、東大社会学科の作成したデ-タ等を用いるが、デ-タによっては個表を用いるが、個表の利用可能性がない場合には、公表デ-タを用いるしかない。ト-ビット分析のためには個表の利用が好ましいので極力それを使用できるようにする。
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