1990 Fiscal Year Annual Research Report
日・韓・台の大企業を結ぶ国際的ネットワ-クの構造と機能に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
02451083
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
種田 明 流通科学大学, 商学部・経営学科, 助教授 (90146986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱本 隆弘 流通科学大学, 商学部・経営学科, 講師 (20208599)
上田 義朗 流通科学大学, 商学部・経営学科, 助教授 (80203454)
高田 亮爾 流通科学大学, 商学部・経営学科, 助教授 (40206769)
森下 高治 流通科学大学, 商学部・経営学科, 教授 (60099611)
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Keywords | 日・韓・台大企業の国際的ネットワ-ク / 労働状態・勤労者の比較 / 下請・系列関係 / 資本・役員関係 / 経営組織とイノベ-ション / 技術革新と技術移転 |
Research Abstract |
1.研究分担者・上田及び高田は、韓国・台湾の現地調査(現地企業のインタヴュ-、資料収集)を行なった。台湾・韓国においてはとくに最近の賃金上昇や株式市場の低迷のため、日本企業に対し少なからぬ影響を及ぼしている。また、韓国は南北交流、台湾は1997年香港返還問題を抱えているので、現地企業はますます日本との結びつきを深めたいとする動向である。日系大企業の現地法人(提携関係・役員派遣など)と現地資本の大企業、さらに日系及び現地の中小企業相互間のネットワ-ク分析成果の一部が報告(裏面)された。 2.文献収集を積極的にすすめた。ただ、技術・勤労者・経営組織の実態に関しては土着技術・古来からの特有の労働慣行(のなごり)・欧米とも日本とも異なる組織原理等々をどこまでの範囲でアプロ-チするかの問題があり、言語問題(翻訳・邦語か英語か)とともに次年度の課題の一つである。計量分析は進行中である。 3.平成2年度12月に、研究分担者共同主催の学内シンポジウムを開催した。研究分担者・森下は、「余暇と労働/勤労者のライフスタイル」について中間報告・問題提起を行なった。研究分担者・濱本は、「ドイツ企業のイノベ-ション」研究から基礎理論を抽出し、日・韓・台の大企業のイノベ-ションを分析するときの着眼点・困難さを指摘した。研究分担者・上田及び高田は、現地調査と後の分析をふまえ:(1)台湾では商業資本が産業資本より優位にある。(2)台湾・韓国とも、国際社会の地位改善・弱さ克服に懸命である。(3)資本財・中間財の日本への依存(輸入)が大きい。(4)韓国では地場資本の成長が遅いため、ネットワ-クが成立しにくい。(5)賃金上昇の割に技術水準が低い。その理由として、財閥・中小企業育成策の遅れ・儒教の影響・個人と家と企業の関係などを見るべきであろう、を論証した。「環太平洋経済圏における日・韓・台」研究が次年度の重点である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 上田 義朗: "台湾における日系企業の調査報告(下)" 流通科学大学論集[流通経営編]. 第3巻第2号. (1991)
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[Publications] 高田 亮爾: "韓国、台湾の経済発展と中小企業(2)" 流通科学大学論集[流通経営編]. 第4巻第1号. (1991)
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[Publications] 上田 義朗(ほか3名): "日本・韓国・台湾における産業・資本ネットワ-クー奇跡のトライアングルー" 東洋経済新報社, (1991)