1990 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス地方自治体におけるハウジング・マネ-ジメントの展開に関する研究
Project/Area Number |
02451094
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Research Institution | Mejiro University College |
Principal Investigator |
中島 明子 目白学園女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (30113294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩 福島大学, 行政社会学部, 教授 (20124589)
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Keywords | イギリス / 地方自治体 / ハウジング・マネ-ジメント / 居住者参加 / 公営住宅 |
Research Abstract |
本年度は主にイギリス地方自治体のハウジング・マネ-ジメントにおける居住者参加に関する文献・資料収集、第2年度の本調査のための予備調査の実施を行った。結果の概要は以下の通りである。 1.1970年代以降、イギリス地方自治体の住宅政策において、ハウジング・マネ-ジメント(住居管理)は重要課題の1つになってきている。 2.特に近年では、1989年に発表されたグラスゴ-大学住居研究センタ-による公営住宅及び住宅協会の住居管理の評価に関する調査研究が今後のイギリスの公営住宅を考える上で大きな問題提起となっている。 3.ハウジング・マネ-ジメントにおける最大の課題は“居住者参加"である。これは1970年に居住者の側から要求されたものだが、1980年代以降は地方自治体の住宅行政の課題になっている。居住者参加により居住者要求を把握することができ、修繕や住宅割当て・空家の解消等においてより効果的で効率的なサ-ビスが実施できるとしている。 4.居住者参加は地方自治体の地域分権と密接に結びついている場合が多いが、政府も荒廃団地の修復等の事業においては徹底した住民参加を行っており、この分野での居住者参加は1つの流れとなっている。 5.80年代の住民参加の展開に対して、民間の居住者参加助言機関が設立されており、また住居管理協会(IoH)や政府環境省は住民参加の定義や方法についての一定のガイドラインを示してきている。 6.居住者参加の構成主体は、居住者・自治会と住宅局職員・地方議員があげられるが、これに専門家や業者等を加える場合もある。 7.政府や自治体等の動きに対して、居住者や居住者組織は、全体的な流れについては評価するものの、参加の具体的な内容での居住者参加はまで不十分であるとしている。 8.公営住宅団地には自治会があり、地域組織が結成・再編されつつある。
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