1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣本 史雄 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00092544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 豊 東京工業大学, 理学部, 助手 (80202323)
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Keywords | 超高エネルギ-宇宙線 / 空気シャワ- / 新観測方法 / 低周波電波 |
Research Abstract |
平成3年3月末に東大明野宇宙線観測所のCE2,S1両ステ-ションにアンテナ観測装置を設置した。以前からの分校の装置に比較して人工雑音レベルが高く,この除去に時間を要した。また広域空気シャワ-アレイのトリガ-信号のジッタ-が50〜100μ秒と大きく,本装置との同期調整にも若干時間を要し,本実験は平成3年8月より開始した。更に,本実験開始直後,雷の影響によりS1,分校の装置の一部が故障し,修復に1ヶ月半を要した。現在までに空気シャワ-解析の終了している平成3年12月までのデ-タの解析が終了している。残念ながら,1つのシャワ-に対して多アンテナで電波が観測されている事例は得られていない。観測は現在まで順調に継続されている。 本研究の目的は,空気シャワ-に付隨して観測される電波の発生機構を解明することである。今まで考えられていた電波発生機構としては,空気シャワ-中の陰電子過剰量が(1)シャワ-の縦方向発達とともに変化する(2)大地との衝突により消滅する。という2つが考えられていた。本年度は更に理論的考察を進め,過剰陰電子による静電場や,電離損失による過剰陰電子の減速(これについてはまだ不充分であるが)による効果を含めた計算を行い,電波の波高値について観測値と計算値との違いはファクタ-4程度と近づいた。この不一致は,低エネルギ-過剰電子の吸収過程をより正しく計算に取り入れることにより解決できるものと考える。またこの計算では,アンテナとシャワ-軸との幾何学的位置関係により,いままで指摘してきたような負の信号のみならず,僅かながら正,bipolarの波形が予測され,今までのデ-タを再調査した結果,予想どうりの波形が観測されていることが確認でき,電波発生機構がほぼ解明できたようである。
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Research Products
(1 results)