1991 Fiscal Year Annual Research Report
高圧を用いたランタン銅酸化物系の超伝導と逐次構造相転移に関する研究
Project/Area Number |
02452028
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊土 政幸 北海道大学, 理学部, 教授 (90111145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 研 北海道大学, 理学部, 助手 (70204211)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 構造相転移 / 圧力効果 |
Research Abstract |
本研究は(La_1-_xM_x)_2CuO_4(M=Ba,sr)系における正方晶ー斜方晶(To)、斜方晶ー(低温)正方晶(T_1)転移と超伝導との関連性を明らかにすることを目的としている。これまでに、後者の構造相転移(M=Baのときに起こる)に伴うフェルミ準位での状態密度N(0)の減少により超伝導が大きく抑制されること、また、高圧実験からT_1での転移機構は6.25%Baのところで特に強いことを明かにしてきた。今年度は、低温Xー線回折実験を行い、T_1以下の結晶構造はこれまで言われてきた正方晶ではなくPccnタイプの斜方晶であり、格子定数aとbの差が、超伝導転移温度Tcが最も低くなるx=0.0625で一番小さいことを見つけた。これらの結果は、CuーO面内の2種類の酸素サイト間での電荷の再配分のためにN(0)の減少が起き、Tcが低下するというモデルを強く支持する。また、試料の一部はT_1で構造変化を起こさないことも確認できた。現在、この点も含め高圧下でのT_1における構造相転移の様子を詳しく調べている。一方、圧力下での熱膨張率の測定から、高圧下では(高温の)正方晶相が低温まで安定化することを確認した。また。高圧下でのマイスナ-信号の測定からTcの圧力依存性を精密に測定し、圧力と共にToが減少するにしたがってTcは増加するが、斜方晶相が消失し正方晶相となると、その圧力係数が零となることを確認した。この結果から、斜方晶相では超伝導が抑制されていることが結論できた。今後、正方晶ー斜方晶転移に伴って生ずる物理量の変化を調べ、斜方晶相における超伝導抑制の原因を明らかにしたい。
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[Publications] N.Momono: "LowーTemperature Crystal Structure and Superconductivity in La_<2-x>Ba_xCuO_4" Physica C. 183. 241-246 (1991)
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[Publications] M.Oda: "Electronic Properties of Doped Holes and Magnetic Properties in La_2-_xBa_xCuO_4" Physica C. 183. 234-240 (1991)
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[Publications] M.Ido: "Pressure effect on Superconductivity and LowーTemperature Phase Transition in BaーDoped La_2CuO_4" Physica B. 185ー189. 911-912 (1991)
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[Publications] M.Oda: "Magnetic Depairing in Highly Doped La_2CuO_4" Physica B. 185ー189. 1157-1158 (1991)