1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452031
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野田 幸男 千葉大学, 理学部, 助教授 (80127274)
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Keywords | 一次相転移 / 前駆現象 |
Research Abstract |
一次相転移に伴う前駆現象を理解するためには、相転移温度直上でX線散漫散乱を測定するのが非常に有効である。一次相転移で現れる散漫散乱は多くの場合、前駆現象を担っているクラスタ-が巨視的なサイズに達する局所構造のため非常に幅の狭い散乱ピ-クとなり、その位置と幅を精密に測定する必要がある。同時にブラッグピ-クの形状をも問題にする必要がある。本年度は昨年度導入した高精度X線回折装置を高分解能で測定出来るように調整し、併せて測定用のプログラムを開発した。 実験として、FePd合金の低温のマルテンサイト変態の前駆現象として現れる中間相の起源をまず調べた。これは、理論的立場から、中間相はマイクロトゥインが作る長周期構造(Adaptive phase)からなるという予測があったからである。この理論によれば、中間相には衛星反射が現れるはずである。しかしながら、詳しい実験を行って結果、そのような衛星反射は現れないことが分かった。この実験はまだ捜していない逆格子もあるので引き続いて行う予定である。次に酸化物誘電体での相転移で強い一次相転移を行うLaNbO_4の単結晶を入手して実験の準備を行っている。この物質の相転移温度は400℃以上と高温のために、新しく高温炉を作成しそのテストを行った。種々の文献を検討した結果、当研究の一次相転移の前駆現象を示す可能性が十分あるとおもわれる。
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