1991 Fiscal Year Annual Research Report
H^+による2電子捕獲過程を用いた磁性体表面電子の研究
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02452034
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 泰規 東京大学, 教養学部, 助教授 (30114903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 俊行 東京大学, 教養学部, 助手 (70212529)
小牧 研一郎 東京大学, 教養学部, 教授 (40012447)
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Keywords | 表面散乱 / 低速多価イオン / 電子捕獲 |
Research Abstract |
前年度に作成した“電子ビ-ムイオン源(Electron Beam Ion Source)を稼動状態にした。また,計画に従って、ウィ-ンフィルタ-型の質量分析器を設計・製作し,EBISと組み合わせることにより、EBISからとり出せるイオン種、電流量についての知見を得た。 1)ウィ-ンフィルタ-の設計・製作 ウィ-ンフィルタ-は、イオンビ-ム軸と垂直方向に互いに直交して電場と磁場をかけたもので、一種の速度選別器である。我々は1・4kGの永久磁石を用い、極限分解能30の分析器を得た。 2)EBISイオン源からのイオン種 10^<-7>Torr程度の残留ガス圧下でEBISイオン源を作動させると、a)OH^+,N^+_2,O^+_2,H^+_2など通常のイオン源から得られるイオン種に加えて、C^<3+>,N^<3+>,O^<4+>などの多価イオンが確認された。この状態で,2×10^<-8>Torr程度Arガスを導入すると,上で見られた残留ガス多価イオンは消滅あるいは非常に弱くなり、代って、7+までのArイオンが観測された。 3)荷電粒子衝撃における放出2次電子数分布の測定 我々は高速イオンによる電子放出数分布を巾広いイオン種にわたって測定している。最近、ウィ-ン大学のH.Winterらが我々の測定法を低速イオンに適用し,表面からのPotential Emissionを他から区別できることを見出した。低速イオンの電子捕獲過程と電子放出には強い相関が予想される。今後、高速イオンの例を参照デ-タとし、2次電子放出数分布からも表面での電子捕獲を研究したいと考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 山崎 泰規: "Strong suppression of the cuspーShaped Peak in 0° spectra of electrons accomparying H°" J.Phys.B. 23. L317-L323 (1990)
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[Publications] 山崎 泰規: "Measurements of electron spectra in the forward direction in slowーantiproton carbonーfoil collisions" J.Phys.Soc.Jpn. 59. 2643-2646 (1990)
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[Publications] 東 俊行: "Positron lifetime in C_<60>/C_<70> powder" J.Phys.Soc.Jpn. 60. 2812-2814 (1991)
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[Publications] I.Kadar: "High resolution auger spectroscopy of Naーlike Ar and S ions singly excited in high energy collisions" Phys.Rev.A. 44. 2900-2912 (1991)
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[Publications] P.Hvelplund: "Binary encounter peaks for 0° electrons in collisions between 2Mevlu Si^<7+> and He." J.Phys.Soc.Jpn.60. 3675-3678 (1991)
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[Publications] 山崎 泰規: "波剰電子は存在するか" 日本物理学会誌. 46. 382-384 (1991)
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[Publications] 山崎 泰規(ed.A.GrasーMarti): "Interactions of changed particles with solids and Surfaces." Plenum Pub., 716 (1991)