1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452046
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水崎 隆雄 京都大学, 理学部, 助教授 (20025448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
大見 哲巨 京都大学, 理学部, 助教授 (70025435)
恒藤 敏彦 京都大学, 理学部, 教授 (30025275)
鈴木 孝夫 京都大学, 理学部, 助手 (00025363)
平井 章 京都大学, 理学部, 助教授 (70025287)
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Keywords | 偏極原子状水素 / ボース凝縮 / 2次元ボース気体 / 極低温気体 / 量子気体 / Kosteritz-Thouless転移 / 拡散係数 / 核偏極水素 |
Research Abstract |
量子効果の極めて大きい偏極原子状水素(H↓)は絶対零度まで気体であり、充分低温まで冷却出来ればボース凝縮を起こすことが期待されるなど、その基礎物性の研究は興味あるものである。本研究では、 1.H↓気体の冷却と試料室表面でのH_2分子への再結合機構を調べるため液体ヘリウム面上に吸着された2次元H↓の性質を調べた。2次元巨視的凝縮相(Kosteritz-Thouless転移)の達成の可能性を検討した。この実験では低温の水素解離器で作られたH原子を超低温、強磁場中で偏極させH↓にして蓄える。その内の一部をH↓ビームとして試料室に導入する。試料室はヘリウム膜で被われ表面での再結合を防ぐ。試料室にはコールドスポットがあり導入されたH↓はそこに吸着され、冷却される。このようにヘリウム表面に吸着された2次元H↓の性質を研究した。表面密度2x10^<12>cm^2をT=85mKまで冷却することに成功した。再結合エネルギーの内2次元水素原子系に移行する割合は1.4%以下であった。2次元水素系とヘリウム系との熱的結合機構が明らかになった。今後^3He表面や不飽和ヘリウム膜を用いてヘリウム表面状態を制御して上記の実験を行う計画である。 2.Hのゼロ磁場共鳴のスピンエコーによって拡散係数を測定し、超低温における量子気体の輸送現象を研究した。この実験ではゼロ磁場であるのでHは偏極しておらずH同士が衝突するとすぐに再結合するので、低濃度のHがヘリウム気体と共存し、拡散はHとHeの衝突で決る。0.3K-1.1Kの温度域で衝突断面積が大きく温度変化した。この結果を用いてH-Heの相互作用の詳細を調べた。 3.高密度核偏極水素の安定化が確立し、将来の素粒子物理への応用の有用性がわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Matsushita: "Spin Dynamics of V2D2 Solid ^3He" J.Low Temperature physics. 89. 365-373 (1992)
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[Publications] H.H.Hensley.: "Accurate Determination of the Land an parameter Fo^a tor ^3He" J.Low temperature physics. 89. 501-502 (1992)
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[Publications] H.H.Hensley: "Measure ment of the magnetic Suceptibility of Normal Fluid ^3He at very Low Temperatures" J.Low Temperature physics. (1993)
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[Publications] T.Matsushita: "Nonlinear spin Dynamics in theU2D2 phase of Nuclear ordered solid ^3He" Phyoica B (発表予定). (1993)
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[Publications] A.Natsubara: "Cooling of polarited Atomic Hydrogen Adsorbed on Liquid Helium" Phyoica B. (1993)
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[Publications] T.Arai: "Diffusion Measure ment of Atomic Hydrogen in Helium Gas at very Low Temperatures" Phyoica B. (1993)