1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452062
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中澤 清 東京工業大学, 理学部, 教授 (10025455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 茂 東京大学, 教養学部, 助手 (60211736)
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Keywords | Planetary Growth / Statistical Behavior of Planetesimals / Nーbody Simulation / Origin of the Solar System / Gravitational Scattering |
Research Abstract |
本研究課題の本年度における具体的研究実施計画は1.重力多体系の緩和過程を数値的にシミュレ-トするためのアルゴリズムを開発すること、2.理論的アプロ-チにより、極端な状況にある重力多体系について、統計力学的定式化を行い、その特徴的な統計的性質を引き出すこと、3.惑星成長過程の数値シミュレ-ション用アルゴリズムの基礎となる成長方程式を吟味すること、であった。 それぞれの、これまでに得られた成果は以下の通りである。 1.について:重力多体系をシミュレ-トするためのアルゴリズムとして、ヒルの近似を用いたア-セス型のものと、銀河系のシミュレ-ション等で用いられてきた従来型のもと2種類のコ-ドの開発をほぼ完了し、いずれも、100ー300体の重力系をシミュレ-トできるようになった。また、これらのコ-ドを用いた初歩的な数値計算によって、同一質量集団の統計的振舞いについて新たな結果も見いだしている。 2.について:質量の異なる2種類の天体群の統計的緩和過程を取り上げ、この系がフォッカ-プランク型の輸送方程式で記述できることを示し、更には、この方程式を数値的に積分し、系の平衡状態、平衡状態への移行時間を求めることができた。得られた結果は、これまでに予想されていたものであり、それに理論的根拠を与えたことになる。 3.について:アルゴリズムの開発の基礎となる惑星成長方程式の妥当性を吟味するため、まず始めに、確率論的に正しい惑星成長方程式を新たに導いた。また、ある特別な場合についてこの方程式を解き、これまでの研究で無批判に用いられていた方程式の解と比較した結果、従来の方程式に重大な欠陥のあることを見いだした。 以上、本年度の当初の目的はほぼ完全に達成できたと考えている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Ohtsuki,K.Nakazawa & Y.Nakagawa: "Kinetic Behavior of Planetesimals Revolving around the Sun" Adv.Space Res.10. 105-108 (1990)
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[Publications] K.Ohtsuki,Y.Nakagawa & K.Nakazawa: "Artificial Acceleration in Accumulation due to Coarse MassーCoordinate Divisions in Numerical Simulation" Icarus. 83. 205-215 (1990)
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[Publications] M.Hasegawa & K.Nakazawa: "Distant Encounter between Keplerian Particles" Astron.Adtrophys.227. 619-627 (1990)
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[Publications] S.Watanabe,Y.Nakagawa & K.Nakazawa: "Cooling and Quasiーstatic Contraction of the Primitive Solar Nebula after Gas Accretion" Astrophys.J.358. 282-292 (1990)
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[Publications] M.Hasegawa & K.Nakazawa: "Enhancement of the Random Motion of Planetesmals due of the Nonーaxisymmetric Density Wave in the Solar Nebula" Astron.Astrophys.(1991)
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[Publications] S.Ida & K.Nakazawa: "Did Rotation of the Protoplanets Originate from the Successive Collisions of Planetesimals?" Icarus. 86. 561-573 (1990)
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[Publications] K.Ohtsuki,S.Ida,Y.Nakagawa & K.Nakazawa(分担): "Protostars and Planets III" Arizona University Press, (1991)
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[Publications] K.Nakazawa,S.Ida & K.Ohtsuki(分担): "Primitive Solar Nebula" Terra Scientific Publication, (1991)