1992 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧変形実験による岩石の流動・破壊・再結晶の研究の限界と可能性の追求
Project/Area Number |
02452066
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Research Institution | SHIZUOKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 助教授 (30126164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 謙一 静岡大学, 理学部, 助教授 (30090517)
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Keywords | 高温高圧変形実験 / 石英 / 再結晶 / 塑性流動 / 結晶成長 / 粒界移動 / 破壊 |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続き、高温高圧下で、石英の粒界移動の研究を行った。メタチャートとカルセドニーの試料を接合させて行ったアニーリング実験では、両者の境界がカルセドニー側に移動しているのが確認させた。これは、カルセドニーの細粒石英が消費され、メタチャート中の石英粒子に組み込まれることによって起こっている。粒界移動距離(M)は、アニーリング時間(t)とはM=1.9t^<0.29>という関係あることがあ明らかになった。粒界移動を引き起こした駆動エネルギーは、カルセドニー中の石英の表面エネルギー(P)である。表面エネルギーと粒界移動距離の間には、M=4.5(P/3g)^<3.9>という関係があることがわかった。ただしここで、gは単位表面エネルギーである。また、カルセドニーの粒径(D)はアニーリング時間とは、D=1.7t^<0.18>という関係にあることがわかった。 2.上記の粒界移動実験を偏圧下で行った。この実験は1回成功した。単なるアニーリング実験と異なっているのは、粒界の形態である。偏圧下での粒界移動は均一に起こらず、結果として、ギザギザした境界が観察された。移動量については、アニーリング実験と同様の結果を得た。また、移動する方向による違いは無いことが確認された。 3.カルセドニーの圧縮実験をおこなった。最大圧縮量として、どのくらいまで実験可能なのかを調べるべく、従来よりも肉厚のヒーターを使用し、基礎実験を行った。その結果、従来の最大値は45%だったが、この改良により、90%まで圧縮が可能であることがわかった。
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