1990 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ー色素ホストゲスト系の高次構造制御により発現する非線形光学効果に関する研究
Project/Area Number |
02452073
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮田 清蔵 東京農工大学, 工学部, 教授 (90015066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
渡邊 敏行 東京農工大学, 工学部, 助手 (10210923)
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Keywords | ホストーゲスト / 高次構造制御 / 非線形光学 / 第二高調波発生 / パラニトロアニリン / トランスクリスタル |
Research Abstract |
非線形光学効果は情報の高速処理、高密度記録を実現するため現在、非常に注目されている現象である。我々はポリオキシエチレン(POE)とパラニトロアニリン(pーNA)を電界結晶化することにより大きな非線形光学効果が発現することを見いだした。またポリーεーカプロラクトン(PCL)とpーNA複合膜では電界を印加せずとも自発的にSHG活性な構造ができることを見いだした。本年度はpーNA分子の配向状態、その構造、非線形光学定数の定量化等を行った。 PCL/pーNAフィルムが結晶化する前にフィルムに傷を入れると核生成が制御できSHG活性なpーNAが一方向に配向したトランスクリスタルが作製できる。このトランスクリスタル及び電界結晶化したPOE/pーNA系でのpーNAの配向状態をFTーIRで測定したところ、どちらの系でもオ-ダ-パラメ-タ-が0.7程度であることがわかった。この値は通常のポ-ルドポリマ-系と比較すると極めて高い値である。このフィルムのX線を測定した所、SHG活性のないpーNAとその回折ピ-クの位置は変わらなかった。X線とFTーIR測定の結果から、SHG活性なpーNA結晶はSHG活性がないpーNA結晶と同じ格子定数を持ち、pーNA分子が全て同方向を向いている構造が推定された。またトランスクリスタルの非線形光学定数を測定した所、d_<33>=230pm/Vと2ーメチルー4ーニトロアニリンと同等のSHG活性を有していることが判明した。このトランスクリスタルをデバイス化することにより高効率の光偏向器が作製できると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 朽木 栄治: "ポリ(εーカプロラクトン)/pーニトロアニリン系のトランスクリスタルの作製とその大きな2次の非線形光学特性の評価" 高分子論文集. 47. 863-868 (1990)
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[Publications] 朽木 栄治: "脂肪族ポリエステル/パラニトロアニリン系のモルホロジ-と第二高調波発生" 高分子論文集. 47. 977-984 (1990)
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[Publications] 渡邊 敏行: "非線形光学特性ー高分子による結晶構造解析" 高分子. 39. 360 (1991)
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[Publications] 渡邊 敏行: "バイオコンピュ-ティング研究戦略" サイエンスフォ-ラム, 14 (1990)