1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452078
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朝倉 利光 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (70001188)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 卓 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (40204036)
魚住 純 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (50184982)
|
Keywords | フラクタル / コッホ曲線 / フラウンホ-ファ回折 / フ-リェ空間 / フラクタル次元 |
Research Abstract |
自然界には,形状がきわめて複雑かつ不規則であり,明確に大きさを定義できないものが多い。このような物体を定量化する手法として,フラクタルという概念が登場してきた。フラクタル形状は,フラクタル次元というパラメ-タで定量化することができる.このため,フラクタル性を有する物体の空間周波数特性を解明することが重要な課題となっている。本研究は,レ-ザ-からのコヒ-レント光によるフラクタル物体からのフラウンホ-ファ回折現象に基づいて,フラクタル物体の空間周波数特性を研究し,空間周波数領域におけるフラクタル物体の特性の解明と,それによるフラクタル物体の光情報処理の研究を行うものである。 (1).コッホフラクタルの生成に関する理論研究:コッホ曲線の生成規則であるジュネレ-タを3つのオペレ-タで記述する方法を研究した。また,この表現に自己相似性の存在する上限と下限を含めるため,イニシェ-タという初期形で上限を定め,下限をジェネレ-タの再帰的な生成手続きの繰り返し回数で規定した。 (2).コッホフラクタルによるフラウンホ-ファ回折場の理論的・実験的研究:(1)で定義するコッホフラクタルのフラウンホ-ファ回折場の複素振幅を求めた。これはコッホフラクタルの2次元フ-リェ変換で与えられ,3つのオペレ-タもフ-リェ変換の性質から周波数空間でのオペレ-タとして扱うことができる。このようにして得られるフラウンホ-ファ回折場の強度分布を研究し,特に自己相似構造と周期構造の存在を調べた.これらを実験的研究で確認した。 (3).ランダム化されたコッホフラクタルによるフラウンホ-ファ回折の理論的・実験的研究:自然界にあるフラクタルのモデルとして,コッホ曲線のランダム化を行い,そのフラウンホ-ファ回折場の特微をコンピュ-タシミュレ-ションによる理論的研究と実験で調べた。
|
-
[Publications] 魚住 純: "Fraunhofer diffraction by Koch fractals" Journal of Modern Optics. 37. 1011-1031 (1990)
-
[Publications] 魚住 純: "Laser diffraction by randomized Koch fractals" Waves in Random Media. 1. 73-80 (1991)
-
[Publications] 魚住 純: "フ-リェ空間におけるフラクタル" 第4回札幌国際コンピュ-タグラフィックスシンポジウム論文集. 120-125 (1990)
-
[Publications] 魚住 純: "Fraunhofer diffraction by Koch fractals:the dimensionality" Journal of Modern Optics. 38. (1991)
-
[Publications] 魚住 純: "一般化されたコッホ曲線によるレ-ザ回折" 統計数理. 38. (1990)