1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452081
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 和男 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10107394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 努 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90196543)
|
Keywords | フォトリフラクティブ効果 / 位相共役 / 二光波混合 / ガリウム・リン / 非線形光学 / 化合物半導体 |
Research Abstract |
半絶緑性の化合物半導体GaPのフォトリフラクティブ効果について、本年度は基本的な特性を明らかにする目的で、2光波混合の増幅係数とその時定数の測定を行なった。測定波長は0.633μm(HeーNeレ-ザ-)と0.806μm(半導体レ-ザ-)であった。測定にあたっては、S/N比を上げるため、ポンプ光をチョップして、ロックインアンプを用いた。増幅係数と時定数を同時に得るために、チョップの周波数を変えながら増幅率を求め、測定値と実験値が合うように、増幅係数と時定数を決定した。この方法はロックインアンプがフ-リエ変換器であることを利用したものであるが,従来なかった方法ではないかと考える。 主な測定結果は以下の通り。増幅係数のピ-ク値は、0.33cm^<-1>、そのときの屈析率格子間隔は1.1μmであった。これからアクセプタ-密度は6×10^<14>cm^<-3>と見積られた。時定数は格子間隔1μmにおいて,28mw/cm^2の光強度のとき8msecであった。これから感度は0.22mJ/cm^2となる。格子間隔が変ると,時定数も5msec(間隔1.6μm)から18msec(0.6μm)まで変化した。これらの基本的な特性は、単一キャリアを仮定した標準モデルで非常によく説明することができた。室温においては正孔の寄与は小さいと結論できる。 次に低温におけるフォトリフラクティブ効果の測定を行なった。室温から200Kまでは標準モデルとよく一致したが,それ以下の温度では増幅係数が減小した。これは浅いアクセプタ-準位が存在し,それが低温で価電子帯と熱的に切り離され,フォトリフラクティブな電荷分布をシ-ルドする方向に働いたためと考えられる。現在詳しいデ-タの測定を行なっているところである。
|
-
[Publications] K.KURODA,Y.OKAZAKI T.SHIMURA at al: "Photorefractive effect in GaP" Optics Letters. 15. 1197-1199 (1990)
-
[Publications] M.Itoh,K.KURODA T.SHIMURA.I.OGURA: "Generation of PhaseーConjugate Wave in a Photorefractive GaP at 633nm" Japanese Journal of Applied physics. 29. L1542-L1543 (1990)