1990 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光波増幅機構を用いた複素ニュ-ロン場の生成に関する基礎研究
Project/Area Number |
02452085
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
武田 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
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Keywords | ニュ-ラル・ネットワ-ク / 位相共役波 / ホップフィ-ルド・モデル / エネルギ-関数 / 非線形光増幅 / フォトリフラクティブ効果 / 光ニュ-ロ・コンピュ-ティング / ニュ-ロン |
Research Abstract |
本研究では波動場によって形成される「複素ニュ-ロン場」という新しい概念を提案し,そのダイナミックスの基本的な性質を明らかにした.その具体的な成果は以下の通りである. <1.光波動場の物理現象とニュ-ラルネットの対応関係の明確化>___ー 振幅と位相の情報を持つ複素波動場をニュ-ロンの複素状態変数に対応させると,1点から発した光波が他の1点に到達する間にうける振幅の減衰と位相変化を複素シナプシス結合荷重に対応させることができることを示した.また,光波伝播の相反性により複素光波動場の形成する複素ニュ-ロン場の複素シナプシス荷重は一般に対称性を持つことを明らかにした. <2.複素ニュ-ロン場のエネルギ-関数の発見とその存在条件の提示>___ー 複素シナプシス結合荷重が対称性を持つ場合とエルミ-ト対称性を持つ複素ニュ-ロン場に対しては,従来の実数ニュ-ラルネットと類似のホップフィ-ルド・エネルギ-関数が存在することを見いだした.また,それらのエネルギ-関数を持つ複素ニュ-ロン場を複素光波動場で実現するには位相共役波発生機構の存在が不可欠な条件であることを明らかにした. <3.実験によるモデルの妥当性の検討>___ー 複素ニュ-ロン場の生成システムとして縮退4波混合による位相共役波発生の際の光増幅機能と球面鏡を組み合わせた光フィ-ドバック系を提案し,その複素波動場の振舞いを計算機シミュレ-ションによる実験で調べ,提案したエネルギ-関数が確かに時間とともに単調減少し,波動場が最終的に光共振器の固有モ-ドの1つに収斂して行くことを確認した.実際のレ-ザ-のポンプ光からエネルギ-供給を受けたBaTiO_3結晶の持つ非線形光波増幅機能による実験は現在進行中であり,我々の予見したエネルギ-関数の振舞いをまだ直接確認するには至っていないが,近くその性質を明らかにできるものと期待している.
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[Publications] Mitsuo Takeda and Takaaki Kishigami: "Hopfield Energy Function for Complex Optical Neural Fields" Journal of the Optical Society of America,A.
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[Publications] 岸上 高明,武田 光夫: "非線形光増幅機構により生成される複素ニュ-ロン場のエネルギ-関数" 第38回応用物理学関係連合講演会予稿集(1991年3月).