1990 Fiscal Year Annual Research Report
NTSB(アメリカ国家運輸安全委員会)の海難事故調査方法・手段・目的の詳細研究
Project/Area Number |
02452088
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Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
久々宮 久 東京商船大学, 商船学部, 教授 (90016923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 孝弘 東京商船大学, 商船学部, 助手 (50216941)
小林 弘明 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (70016963)
久々宮 久 東京商船大学, 商船学部, 教授 (90016923)
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Keywords | NTSB / アメリカ国家運輸安全委員会 / MAR / 海難事故報告書 / 船 / 衝突 |
Research Abstract |
1975年,NTSB(アメリカ国家運輸安全委員会)が創設されて以来,同委員会が公刊している海難事故報告書と改善勧告書とを網羅的に収集することに努めた。その結果,1988年までに公刊されたものは数篇を除いて,印刷物もしくは復写を入手することができた。入手できない数篇は,いずれも海難事故報告書である。これらはNTSBにもオリジナルがない。現在2〜3のアメリカ研究機関に対して,そららの所持の有無を照会中である。何とかして全篇を整備すべく努力中である。 本年度は,これら入手し得た海難報告書の中から,橋の存在が関係して発生した海難事故の報告書3篇を選び出して,ほとんど全訳に近い抄訳を完成した。これは現在わが国各地で建設が進められている,船舶交通の輻輳する水域での大規模橋(たとえば明石海峡大橋や東京湾横断道路)周辺の海の,安全確保手段の参考にしようとするためである。抄訳した3篇のうちの1篇は,ニュ-ヨ-ク港に架るウイリアムスバ-グ橋から,橋梁下を通航中のタンカ-に,灼熱した鉄片が落下して,タンカ-が爆発沈没した事故の研究調査;第2篇はいわゆる水路の側壁影響のために,通航船が操縦の自由を失った事故の解析;第3篇は橋の直前まで接近した時点で発生した,操舵装置の突発的故障のために,橋脚に衝突して橋梁を崩壊させた事故の調査報告である。 目下,1989年3月24日に発生した,アラスカにおけるEXXON VALDEZ座礁(大規模海面油濁を伴った)事故に関する詳細な報告書を研究中である。大事故にもかかわらず,事故発生から報告書公刊までに僅か16ケ月を要したにすぎない敏速さでの成果物である。
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