1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452092
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西岡 通男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60081444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 雅人 大阪府立大学, 工学部, 講師 (00117988)
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Keywords | 剥離の制御 / 渦 / 音波 / 剥離泡 / 前縁剥離 / 不安定性 / 受容性 |
Research Abstract |
本研究は,抵抗増というペナルティを伴わない理想的な剥離防止策の実現を念頭に置いた基礎研究であり,具体的には「渦の音響励起による方法」を提案し,その基礎研究として剥離抑制に最も有効な強い渦構造(およびそのスケ-リング法則)と,音波がその渦構造を励起する機構を明らかにすることを目的としている。 初年度(平成2年度)は,基本的な剥離流れである平板翼の前縁剥離とNACA0015翼上の剥離泡を対象として,音波を用いた剥離制御を行い次の知見を得た。 いずれの場合も,剥離点直後に適切なスケ-ルの強い渦を容易に音響励起することができ,その渦の連行作用により剥離を顕著に抑制できることを明らかにした。鋭い前縁からの剥離では,効果的な渦のスケ-ルは剥離泡の壁からの高さ程度であり(同様の結果は,鋭い角からの剥離流についても確認された),従って,剥離泡が大きくなるにつれて,剪断層の厚さに支配される線形安定論的に最も不安定な撹乱のスケ-ルよりも大きなスケ-ルの渦がより効果的になる。また,翼面からの剥離では,迎角により剥離点が翼面上を移動しても常に剥離点周りで渦が音響励起され,実験に用いたNACA0015翼ではα=19°まで失速を抑制できる。この場合,励起された渦の働きにより制御された流れでは剥離位置が移動し,その結果励起される渦自身が抑制に効果的な渦のスケ-ルの目安である剥離泡の高さを変える。従って,剥離点が動く翼面のような曲面では,抑制に有効な渦のスケ-ルの範囲は,前述の前縁剥離の場合より広い。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Michio Nishioka: "Control of Flow Separation by Acoustic Excitation" AIAA Journal. 28. 1909-1915 (1990)
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[Publications] 浅井 雅人: "前縁剥離流の受容性" 日本流体力学会誌「ながれ」. 10. (1991)
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[Publications] 西岡 通男: "渦の音響励起による翼面上境界層の剥離制御" 日本流体力学会誌「ながれ」. 9. 151-158 (1990)
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[Publications] 西岡 通男: "前縁剥離の制御" 航空宇宙技術研究SP. 11. 21-24 (1990)
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[Publications] 浅井 雅人: "前縁剥離泡流れの外乱に対する応答" 航空宇宙技術研究所SP. 11. 43-46 (1990)
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[Publications] 西岡 通男: "流体力学の世界(日本流体力学会編)5章「層流から乱流への遷移」" 朝倉書店, 35 (1990)