1992 Fiscal Year Annual Research Report
電磁物性のひずみ依存性に着目した新しい応力拡大係数の評価
Project/Area Number |
02452097
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 博之 東北大学, 工学部, 教授 (00005266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂 真澄 東北大学, 工学部, 助教授 (20158918)
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Keywords | 破壊力学 / 応力拡大係数 / き裂 / 交流電流 / 透磁率 / 電気伝導度 / インダクタンス / 計測系 |
Research Abstract |
交流電位差法による応力拡大係数計測手法の実機への適用を考えた場合,計測に対してより有効な系を模索することが重要となる。交流回路がインダクタンス成分を含むとき,回路に流れる電流と電圧の間には位相差が生じる。したがって未知の交流回路の性質を調べる場合,位相の情報を得ることが現象解明に向けて肝要である。 ここでは交流電位差法による応力拡大係数K_1の計測手法を実機へ適用するための基礎として,電流入出力線と電位差計測線の位置関係が,荷重変化に伴う電位差変化量に及ぼす影響について検討した。被検査体および計測に用いる配線まわりの位相を正確に計測し得る装置体系を実現し,これを踏まえ二次元き裂試験片を用いて同影響を調べるための実験を実施した。得られた結果を要約して以下に示す。 1.荷重変化に伴う電位差変化量とK_Iの変化の間の比例係数α_<EK>は,入出力線と計測線の位置関係(方向)を変えることにより大きく変化することを明らかにした。すなわち,入出力線と計測線を同方向に出した場合のα_<EK>は,逆方向に出した場合のα_<EK>に比べ10倍以上も大きいことを確認した。 2.同一端子配列で計測を行う限り,入出力線と計測線間の相互インダクタンスMの大小に拘らず,α_<EK>はき裂長さに依存しないことを明らかにした。 3.観察される電位差変化は,計測系のインピーダンスのうち,主としてインダクタンス成分が増加することによることを明らかにした。 4.Mの大きい計測系と小さい計測系を比較したとき,前者の方がα_<EK>を大きく与えるため,本手法の実機への適用に際してはそのような端子配列を用いることが望ましい。
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[Publications] 坂 真澄: "き裂非破壊評価への電磁気の応用" 機械の研究. 44. 153-156 (1992)
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[Publications] 坂 真澄: "き裂検出手法と非破壊検査" 日本機械学会講習会教材・破壊力学入門ー破壊事故防止のための基礎技術ー. 920-23. 25-31 (1992)
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[Publications] 坂 真澄(分担執筆): "最新応力・ひずみ測定・評価技術" 総合技術センター, 687 (1992)