1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452098
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
市川 昌弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80017334)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 徹 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (00106890)
|
Keywords | 薄膜 / 積層構造 / 破壊強度 / 密着強度 / 押し込み強度 / 圧子押し込み |
Research Abstract |
本研究は圧子の押し込みによって生じるミクロ破壊現象を利用して、基板上の薄膜の破壊強度を評価する方法について研究するもので、本年度は3年継続の最終年度である。本年度の主な研究成果をまとめると次の通りである。 1.圧子押し込み実験の結果から薄膜の強度を評価する場合に必要となる応力解析の一つとして、弾塑性有限要素解析を行った。解析は実験に合わせて、ステンレス鋼基板上に生成したSiO_2薄膜にSiC球および鋼球を押し込む場合について行った。この場合、基板のステンレス鋼が塑性変形を起こすので弾塑性解析を行った。これより圧子押し込みによりSiO_2薄膜に発生する応力を求めた。応力分布は破壊強度の評価に使いやすい形の式で表すよう工夫した。 2.ステンレス鋼基板上にイオンビームスパッタで厚さ2μmのSiO_2薄膜を作成し、これに対して球圧子押し込み実験を行った。圧子としては半径750μmのSiC球と半径595μmの軸受鋼球を用いた。リングクラック発生はAE(アコースティック エミッション)の計測により検出した。そしてリングクラック発生荷重、上記1の弾塑性応力解析結果、および有効面積を考慮した破壊の確率理論を組み合わせて、薄膜の破膜強度を求めた。この場合、イオンビームスパッタにより薄膜を作成する際に生じる残留応力を考慮して薄膜の破壊強度を評価できるように工夫した。 3.以上により、基板にコーティングした薄膜の破壊強度を、球圧子押し込みにより実際に評価できることがわかった。
|