1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増沢 隆久 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013215)
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Keywords | 放電加工 / 微細3次元加工 / 微細工具電極 |
Research Abstract |
放電による三次元形状加工で最も問題になる点として、電極の消耗が挙げられる。特に、微細放電加工では放電条件の制約から電極の低消耗加工を実現することが難しいためで、高精度加工を行なうには電極の修正時期が重要なポイントとなる。また、電極の材質や工作物の材質を変えた場合も同様に消耗率が当然変化する。そこで、本研究では電極の材質および工作物を限定することでパラメ-タを少なくすることとした。微細放電加工の電極材料としては銅、タングステン、超硬合金等が消耗率が少なく代表的材料である。しかし、微細形状加工を行なう場合材料の内部応力が多いと加工後に変形を起こすことが多く見られた。このことから本研究では、電極材料に超微粒子超硬合金を使用することとした。工作物は放電加工で加工しにくい代表的な材料としてステンレススチ-ル(SUS304)を加工材料とし、比較のために一般的な炭素工具鋼(SKー3)と加工が比較的容易な黄銅とすることとした。 加工実験に関しては、放電加工時の電極消耗率が加工条件によりどのように変化するか確認するため同一電極による多数穴加工を行ない、各材料による消耗率の変化を調べた。加工条件としては加工電圧120v、加工液はスペ-スカットEDS(三井物産石油)、コンデンサ容量として荒加工用に1000pF、仕上げ加工用に330pF更に超仕上げ加工用に加工機の浮遊容量のみとした。また、電極を回転させて加工する場合と、停止させ加工した場合の変化を調べた。これによると、工作物をSUS304した場合、電極の回転の有無に関わらず、長さに対する消耗率は1000pFで17%程度、330pFで26%となり、その他の材料ではこれ以下であった。そこで、電極の消耗補正時期を各材料とも荒加工で17%、仕上げ加工では26%を限度として加工デ-タを作成した。
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