1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452111
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 穰 京都大学, 工学部, 助手 (50026100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 淳暢 関西大学, 工学部, 教授 (80026202)
池内 健 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (30026223)
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Keywords | 混合潤滑 / 弾性流体潤滑 / 人工関節の潤滑 / キャビテ-ション |
Research Abstract |
1.柔らかい弾性体のソケットとガラス製の球面で転がり・すべり面を構成し、作動条件と摩擦力の関係を調べるとともに、ガラス球面を通して小型CCDカメラで潤滑状態を観察した結果次のようなことが分かった。 (1)正弦波状の荷重を加えた場合、荷重減少時に接触域の周辺に環状のキャビテ-ションの発生するのを認めた。そして、その領域はサイクルを重ねる毎に広がっていく。これにより荷重減少時において負圧が減少する。 (2)半径すきまが大きいときには、中央に大きな接触圧力が発生する。これに対して半径すきまが小さいと広い範囲に潤滑膜が形成し、接触圧力は小さいが、最大圧力は周辺部に現われる。良好な潤滑状態を保つためには、半径すきまを適切に決定するとともに、端面に面取りを施すのが有効であると考えられる。(3)等価流れモデルを導入して求めた潤滑膜圧力、膜厚さ、接触圧力を併せて検討した結果、キャビテ-ションによって生じた気泡の挙動を説明することができた。気泡界面が動く場合にも等価流れモデルが適用できることが確かめられた。 2.あらさのある硬い材料同士の平行平面すべりにおける混合潤滑状態をピン/円板型摩擦試験機を用いて調べて次のような結果を得た。(1)平行平面すべりにおいて摩擦特性をストリベック線図に整理した結果、混合潤滑から流体潤滑への遷移が認められた。理論解析によるとあらさの小さいときは、微小な熱変形により発生する負荷容量は大きく、実験結果をよく説明できる。しかし、あらさの大きいときには実験結果ほどの大きな負荷容量は説明できない。(2)荷重が大きいときに、流体潤滑域への移行が早く起こるのはあらさの突起が塑性変形を起こして小さくなることと摩擦熱の増加により熱変形が大きくなることに起因する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 後藤 誠治: "歩行時における人工関節の潤滑状態の観察" 日本機械学会第2回バイオメカニクスカンファレンス講演論文集. 17-18 (1991)
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[Publications] 楠山 泰弘: "混合潤滑下における気泡の発生と挙動" 日本潤滑学会トライボロジ-会議予稿集. 13-16 (1991)
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[Publications] 磯部 賢: "歩行時における人工関節内の潤滑状態の観察" 日本潤滑学会トライボロジ-会議予稿集. 9-12 (1991)