1990 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返し接触応力下の粗面の微視的破壊機構に関する研究
Project/Area Number |
02452113
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市丸 和徳 九州大学, 工学部, 教授 (60037760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健敬 九州大学, 工学部, 助手 (70175636)
和泉 直志 九州大学, 工学部, 助教授 (60184579)
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Keywords | 表面損傷 / 表面粗さ / ピッチング / 応力拡大係数 / 突起間干渉 |
Research Abstract |
1.粗面接触応力の解析 2次元的に取り扱われてきた二円筒接触時の応力状態も、表面粗さを考慮すると3次元の解析が必要となる。そのような場合の応力解析のために、局所的に採取した3次元的ミクロ形状が円筒軸方向に周期的に繰り返されていることを仮定する計算法を確立した。これにより比較的少ない形状デ-タから粗面接触による表面圧力分布を計算でき、さらに、圧力に比例した接線力が作用するときの内部応力の計算を行い、村上・兼田らの開発した体積力法による体積力法による応力拡大係数の計算法と結合した。従来不完全にしか考慮されていなかったき裂面での摩擦の影響を固着と滑りを考慮して合理的に議論することを可能にし、従来実験的に認められているものの理論的には証明がなされていなかったピッチングが低速側の面に発生し易いという事実がはじめて応力拡大係数の数値によって裏付けられた。2.粗面の繰り返し圧縮試験におけるき裂の観察平面の同一箇所に粗い円筒面の周方向位置を変えて繰り返し押し付ける試験を行い、き裂の発生状態を連続観察するとともに、発生した摩耗粉をフェログラフにより観察した。加工目高さとピッチを種々の値に設定した旋削円箇を使用することにより、突起接触域の大きさをコントロ-ルして実験を行い、き裂の発生状況の違いを調べた。また、研削仕上げ面でも実験し、き裂の方向は相手面の加工目の方向と一致する傾向があること、相手面が研削仕上げではき裂は浅くあまり明瞭でないまま摩耗扮が生じることがあるが、一方、一つ一つの突起接触域の大きい旋削円筒と繰り返し接触させた場合にはきわめて明瞭なき裂が発生することが明かとなった。3.二円筒転がり一滑り接触におけるピッチングき裂の観察二円筒試験機を用いて、高荷重のもとで粗さの小さい中硬度材や低硬度材に発生するピッチングは破壊スケ-ルがきわめて大きくなることを確認した。
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[Publications] 市丸 和徳,堀川 勇司: "表面粗さを有する接触面の応力解析" トライボロジ-会議予稿集 東京 1990ー5. 373-376 (1990)
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[Publications] 市丸 和徳,三室 日朗: "粗面の繰り返し接触における表面損傷" 日本機械学会九州支部佐賀地方講演会構演論文集. 27-31 (1990)
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[Publications] K.ICHIMARU,T.MORITA,N.IZUMI,N.MIMURO: "Effect of Asperity Interaction on Rolling Contact Fatigue" Proceedings of Japan International Tribology Conference Nagoya,1990. II. 785-790 (1990)
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[Publications] 市丸 和徳,濱崎 省吾,村上 敬宜: "ころがり疲れの発生機構に関する研究" トライボロジ-会議予稿集 東京 1991ー5. (1991)
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[Publications] 市丸 和徳,森田 健敬,和泉 直志,富田 実: "変動荷重下におけるころがり疲れと油膜形成" トライボロジ-会議予稿集 東京 1991ー5. (1991)