1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452125
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土方 邦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 孝夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (30155923)
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Keywords | 炭酸ガス吸収 / 液膜 / 表面波 |
Research Abstract |
近年地球環境保護の観点から重要な課題となっている炭酸ガスの排出量削減の一方法として、流下水膜への炭酸ガス吸収と液膜表面波制御による吸収促進につき研究を行い以下の成果を得た。まずCO_2ガス中で円柱外面に沿ってRe数40〜200の範囲で水液膜を流下させ、流れ方向へのCO_2吸収量の変化を種々の流量について測定した。その結果、Re数とともにSh数が増加すること、また濃度境界層の発達に対応してSh数が流れ方向に減少することが分った。次にスピ-カにより特定の周波数の振動を加えた実験を行った結果、Re数により若干異なるが周波数が50〜90Hz程度の振動を加えた場合に物質伝達率が増加し最大2倍程度の吸収促進が生じることが分った。この外部振動付加による吸収促進機構を調べるためコンダクタンスプロ-ブを用いて流れ方向の数箇所において液膜波形の測定を行った。その結果、外部振動を加えない場合でも10〜50Hzの波が自然発生し流れ方向に成長するが上流位置ではその振幅はほとんど零であるのに対し、外部振動を加えた場合にはその周波数と同期した規則波が発生し、特に流れの上流位置において外部振動付加の影響が大きいことが分った。このような液膜波形と吸収促進の関係を波の周波数スペクトルの観点から調べたところ、波の振幅と周波数の積が大きいほど吸収促進率が大きいことが分った。したがって表面波による吸収促進機構として波1個あたりの吸収促進量が波の振幅に比例し、これに波の個数すなわち周波数を乗じたものが全体としての促進量になるものと考えられる。以上の実験研究に加え流下液膜に生じる表面波とCO_2吸収に関する非定常数値シミュレ-ションを行った結果、流下液膜には実測されるのと同様な孤立波状の大波が生じ、この大波内部に存在する循環流による表面更新により吸収が促進されることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)