1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452125
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土方 邦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 孝夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30155923)
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Keywords | 炭酸ガス吸収 / 液膜 / 炭酸塩 |
Research Abstract |
近年地球環境保護の観点から重要な課題となっている炭酸ガスの排出量削減の一方法として、流下液膜への炭酸ガス吸収の促進につき研究を行い以下の成果を得た。実験はCO2ガス中で円柱外面に沿ってRe数40〜200の範囲で液膜を流下させ、流れ方向への液膜中のCO2濃度を測定するとともに、炭酸ガスの入口出口流量差を測定し、吸収量を算出した。昨年度行った外部振動を用いた表面波制御による吸収促進に続き、本年度は主に、吸収量を大幅に向上する可能性がある炭酸塩添加による吸収促進について研究を行った。まず炭酸塩水溶液中での溶存炭酸ガスのイオン化反応について検討を行い、種々の炭酸塩濃度における飽和吸収量を理論的および実験的に求め、両者の一致を確認するとともに、純水への物理的溶解に比べ、飽和吸収量が最大30倍増加することを明らかにした。次に炭酸塩水溶液を用いた流動液膜へのガス吸収について実験を行い水液膜の場合との比較を行い、以下の結果を得た。すなわち液膜中の濃度が飽和値に近くなる低流量の場合に炭酸塩添加による吸収促進効果が大きいこと、また炭酸塩添加による物性値変化に伴い表面波の大きさが減少、したがって液膜内の混合が減少するため、流量が大きい場合には逆に吸収量が低下することが分かった。さらに化学反応速度から吸収速度を理論的にもとめ実験値と比較した結果、液膜内の反応物の拡散が吸収反応を律速していることが分かった。以上の結果より炭酸塩添加による吸収促進を効果的に行うためには、気液の接触時間を長くとるとともに、液膜内の混合を促進する必要があることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)